【感想】ひとりあそびの教科書

宇野常寛 / 14歳の世渡り術
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
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ブクログレビュー

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  • agjmd

    agjmd

    一人あそびの魅力について語っている部分については、全面的に共感するし、周囲の顔色を伺うのではなく、何かの目的のためにやるのでもなく、物事それ自体を楽しむことの大切さについては、その通りだと思う。ただ、序章と終章の、中高生に対する語りには、どうしても違和感があった。

    みんなですることじゃない遊び、一人でいることが好きな子たちを勇気づけること。本を読んだり、ゲームをしたり、一人でいることが好きな人間の一人として、それは大切だと思う。
    ただ、だからといって、自分の身の周りに、それこそたくさんいるSNSで発信することにはまった人たち。飲み会しか趣味のない人たち。そういった人たちを「つまらない大人」として、自分たちの方から一人になろうとしていくことは、違うのではないかと感じる。
    身の周りにいる人たちを「つまらない大人」として、一つのことに夢中になれる自分たちを価値を生み出せる人間とするこの考え方が、まさにその「つまらない大人」たちのやっていることの、ただの裏返しなのではないかと思う。

    この本を支えているのは、オタクであった自分を認めてくれる人がいなかったひとつの世代の、一人の著者のルサンチマンだと思う。そういった自分の中の負の部分と向き合って、「つまらない」と思う大人とコミュニケーションをとることの方が、思春期の子どもたちに向けたメッセージとして、本当は大切なのではないか。
    そうしたコミュニケーションをとろうとし続けることは、世に言う「コミュ力」ではないし、決して他人の顔色を窺うことではないと思う。

    自分の中にあるルサンチマンを、結局、一人であるがゆえに、解消できなかった中年世代が、「他の人の顔色ばかりうかがっている人たち」を「敵」とすることで、自分の考えを認めてくれる仲間を集めようとする。そういう、承認欲求の本だと、どうしても読んでしまう。

    読者対象としている中高生の子たちには、ぜひ、「ひとりあそび」のコツと実際を紹介している部分を読んで、本当の意味で、「ひとり」であるがゆえに、「つまらない大人」も含めた誰とでも繋がれる。そんな「あそび」をしてほしい。
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    投稿日:2024.04.24

  • sakufuu

    sakufuu

    「ひとりあそび」の重要性を分析し、評論している。中学、高校生をターゲットにした本である。
    私自身がその世代ではないからなのか、内容があまりよく伝わってこなかった。しかし著者と私は同世代である。全面的には内容に共感出来ないことが理由かもしれない。
    [共感できる]
    ジョギングの魅力
    読書の魅力
    飲み会(大勢で酔って語る)のつまらなさ
    TVゲームの物足りなさ
    仮面ライダー(怪人)のデザインの良さ

    [共感できない]
    世界には二つの人間がいる(人間二元論)
    オモチャやミニカーを集める
    妄想ジオラマを作る
    カブトムシを捕まえに行く
    TwitterやYouTubeでの発信は良くない


    「ライフスタイルスポーツ」体を動かすことそのものを「楽しむ」スポーツ。
    子供の頃の「集団」で「敵」を倒すために苦痛に耐えて努力する「体育」とは全く違う。61
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    投稿日:2024.03.25

  • ゆーや

    ゆーや

    ひとりあそびの定義はこれだ!と作者のルールにのっとってひとりあそびを紹介してくれる本。
    大人になって「〜ために」とあそび以外の目的をもってやってしまうことも多いな〜と読んでいて思った。
    大人になって無目的に何かをすることが減ったけどそれだと心が枯渇するから。ここ何年か無目的にあそぶことも大切な時間だと感じてる。
    一人旅で観光を目的とせず現地の生活を送るっていうのは楽しそうだと思った。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.06

  • 岐阜の学校図書館員が選ぶイチオシ本(仮)

    岐阜の学校図書館員が選ぶイチオシ本(仮)

    "コミュニケーション能力の必要性を大にして訴える今の時代、協調性を持たない人は、生きる力がないかのようにも感じられてしまうが、筆者はひとりあそびの力の必要性を説いているのが新鮮。"

    投稿日:2023.11.29

  • にしお

    にしお

    日々に忙殺されていたり、自身に価値が無いと感じる人に刺さる内容だと感じた。
    ひとり遊びの代表格であるテレビゲームがなぜ面白くなくなっていくのか、それを踏まえた上でどう面白くしていくか、そしてそれを生活にどう転用していくかのパートが特に面白い。続きを読む

    投稿日:2023.10.19

  • 1725407番目の読書家

    1725407番目の読書家

    目的なんかあるとすべて義務感や使命感になる。無目的でただ走る、ただ見つけて観察して愉しむ、ただ集めて触れていつくしむ。正解。

    投稿日:2023.09.03

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