【感想】レーエンデ国物語 月と太陽

多崎礼 / 講談社
(140件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
66
52
16
3
0

ブクログレビュー

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  • 志

    素晴らしいです。正直、本の厚みに慄いたのは数年ぶりです(笑。RPGならさっさと冒頭に来て片付けられて、まぁ彼らのこの気持ち、分かるよね?想像してよ、ってエピソードが丁寧に描かれていて、否応なく解らされます。かっこいい人がかっこいい人に惹かれるのも分かるし、好きな人と幸せになりたい気持ちも、好きな人に幸せであってほしい気持ちも分かるし、悔しさも虚しさも希望も詰まっていました。

    最後まで一気に読んでから最初の登場絵人物挿絵に戻りました。人選…。そして序章も再読。歴史書に、今このように記された人が、実はどのような人だったのか、誤りはないけど、違うのだと、切なく思いました。



    前作の100年後が舞台とのことで、処々、これは前巻の続き、或いは前巻の登場人物かな?と思う名前もありましたが、これは逆に伏線として、どの巻から読んでも楽しめそうです。
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    投稿日:2024.05.20

  • imipu

    imipu

    第一章から時間が経過して革命の話
    今回もいい意味でフラグを折られて笑

    所々引き継がれてるなぁと感じた
    次はどのような革命になるのだろう

    残虐王と言われた所以が弱すぎる
    次章で語られるのか?
    そこがマイナスだった
    13人というのも何かの示唆なのだろうか
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    投稿日:2024.05.17

  • dai-4

    dai-4

    150年くらい時代を下っての第2作。なるほど、こうやって紡がれる訳ね。前回同様、今回もレーエンデの解放が主題。歴史考察のポイントとしての、各時代の覇者に寄せた物語が、あたかも一つの史実として語り継がれる問題も、サラッと語りに取り込まれている。さておき、今回もキャラ設定が素晴らしく、展開の妙も相変わらず。これは人気も出ますわな。早く次のも楽しみたい。続きを読む

    投稿日:2024.05.17

  • chie_e

    chie_e

    24/05/11
    最後に物語の完成度を一段上げる語りを用意しているの、1作目と同じ。
    肩入れする登場人物はいなくて、カタルシスも控えめだけど、壮大な歴史を物語として読んでいる満足感がある。タイトルが示している通りなのよね。続きを読む

    投稿日:2024.05.12

  • 江上

    江上

    戦記物として読めば面白かった。
    しかし???な事はいくつかある。「残虐王」ルチアーノを最初にぶち上げておいて後述で触れる程度の扱いってのはどうなんでしょう?
    そもそも1話でユリアが政略結婚受け入れておけば、こんな革命云々の話にならないのに。続きを読む

    投稿日:2024.05.11

  • milo

    milo

    このレビューはネタバレを含みます

    第1作から100年後という設定。
    帝国の圧政下、弱き者が虐げられ虫けらのように殺される、そんな世界を変えたいと立ち上がったのはレーエンデの村のひとりの少女だった。 生来の怪力とカリスマ性をもって革命の英雄へと駆け上がる物語は、あまりにも過酷で、目を背けたくなるほどおぞましい戦争の現実が描かれる。 とりわけ、幼な子まで虐殺され、女性が性暴力を受ける場面は何度もあり、読み進めるのが苦しくなる。

    最後、レーエンデの自由のために命をかけて戦ったテッサは、そのレーエンデの民に裏切られ、帝国に追いつめられて処刑される。城壁の上に何日も晒され、水も食料も与えられず暴行を受け無残に死んでいった英雄の姿は、前作のトリスタンの美しい死とは対照的にあまりにも醜く惨たらしい。それなのに、テッサは死ぬまで希望を失わず、未来に再び革命が果たされることを信じていた。自らすすんで一粒の種となり地に落ちて、それがいつか芽吹き人々の糧となるために犠牲になる、その高潔な魂はこの上なく美しく心を揺さぶる。
    しかし、愛する人を救えなかったルーチェはレーエンデの民を決して許さなかったのだろう。純粋で優しかった少年が「残虐王」と呼ばれるような恐怖政治をしいたのはその復讐でもあり、レーエンデ人に真の絶望と危機感を与えることによって、次こそ革命を成し遂げる者が現れることを願っていたのかもしれない。

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    投稿日:2024.05.08

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