【感想】ぼくらの祖国

青山繁晴 / 扶桑社BOOKS新書
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
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ブクログレビュー

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  • mysterymanbo

    mysterymanbo

    戦中の行き過ぎた愛国心醸成の反動と戦後の連合国による押し付けられた民主化政策により、いつしか日本人の祖国愛は日の丸や国歌を含め「腫れ物」扱いされ始めた。その傾向は、残念ながら国民のみならず、国民を啓蒙すべき政治家やマスコミに、より蔓延している状況が続いている。
    未だ北朝鮮に拉致された日本人ですら取り返せない、日本領土である竹島や北方領土も何故か紛争相手国に遠慮がちな対応など、今の政治家からは国民や領土を本気で守ろうとする気概が伝わらない。
    例えば、国民を守るべき自衛官ですら、政府の許可無く自国内の外国不穏分子を始末すれば殺人罪に問われる。つまり、休暇で帰ったふるさとで武器を持った怪しい外人に連れ去られようとしている女子学生を目撃しても、罪を覚悟で対処しなければならないというおかしな事態となっている。
    福島第一原発(GE製)事故でも結局誰も責任をとらなかった。お隣の東北電力は津波対策として防護壁を政府指導より5m高くして難を逃れたという事実があったにもかかわらず。こうした災禍を避け安全を担保するのが、高い報酬を貰うトップの責務のはずなんだが、日本人はいつから武士道精神を忘れ、逃げ得にも恥じない民族となってしまったのだろう。
    本書は、日本人が他国の様な祖国愛を取り戻す為に知っておくべき事例がたくさん紹介されています。小学生でも読める様にルビ付きです。
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    投稿日:2023.02.16

  • yajion

    yajion

    このレビューはネタバレを含みます

     今まで”領土”や”祖国”と言った言葉を日常で聞いてこなかった人に一度は読んでほしい本です。

     主に筆者の体験談を筆者の当時の想いとともに書き連ねている体験記のような本となっており、小難しい専門用語はほとんどありません。そのため、高校生レベルの知識があれば誰でも理解できる平易な文章となっており、内容が頭に入ってきやすいです。

     また、実際の体験記という内容の特性上、インターネットで調べればすぐに出てくる内容ではなく、福島第一原発や硫黄島の様子を取材しに行く際の実際の政治的な圧力や著者の人的ネットワークによる対応などがありのままに述べられています。まるで一つのドラマをみるかの如く感情に訴えかける内容となっているため、興味深い内容となっています。

     私も普段の生活で上記のような言葉をあまり聞かなかったため、領土問題やエネルギー問題について考えるきっかけになったり、ニュースに取り上げられた時は興味を持って聞くきっかけにはなりました。

     とはいえ、書いてあること全てをそのまま鵜呑みにするのもいかがと思います。

     例えば、尖閣諸島に関する内容と硫黄島の滑走路引き剥がしに関する内容とで情報の密度が異なります。
    前者については、時系列順に国際的な取り決めが並べられ、”中国が対外的に示したものを並べるとこうなる”ということが示されているため、中国の意見がおかしいということについて納得しやすいものとなっています。
    一方で、後者については、引き剥がすべきであるという主張のみが述べられ、具体的に今後○年以内における○○という予算をこちらに当てるべきである、と言ったような具体的な実行策にまでは話が掘り下げられていません。
     著者の専門外なのかもしれませんが、物事の必要性だけ述べて実行策を述べないのでは、説得力に欠けるのではないでしょうか。

    著者が間違ったことを述べている、と言うつもりはなく、著者が述べた事実・意見をもとに、読んだ人が興味を持って具体策を考えていく必要があるのかもしれません。

     この本の初めの方に”それぞれが自らに問うていくことが、もはや間違いなく全ての始まりだ”と記されているように、考えるきっかけとしてとても面白い本と思います。

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    投稿日:2020.10.11

  • kinako33333

    kinako33333

    p59
    人生は、自分のためだけには生きていれば、つまらない。生きよ、人のために生きよ。生きよ、公のために生きよ。おのれ以外のためにこそ生きよ。
    p64
    ひとがひとを誤解してみるとき、それは、その誤解するひとの本性、欲望が露見している。

    現在の日本社会で、そしておそくらはこれからの日本社会でも起きるネットを悪用した誹謗中傷とは、その誹謗中傷をしているご当人が、おのれを照らす鏡でもある。

    p170
    川は一本もない。水がない。外から持ち込まねば、水も飲むことができない。

    水よ、土中に染み込んで、土に溶けてしまったご遺骨にも染み込んでください。
    そうすれば、やっと、みなさんが水を飲むこともできるから。

    p179
    そしてこの堀った人たちを、私たちは戦後ずっと日本兵というひと固まりで呼んできました。ほんとうは大半が普通の庶民なんです。

    p192
    ぼくは旧ユーゴ戦争に行き、イラク戦争の現場に行き、せんそうはどこまでも無惨ンな殺しあいであることを知った。
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    投稿日:2020.05.30

  • asw

    asw

    ジャーナリストであり大学客員教授でもある、青山繁晴氏によるノンフィクション。タイトルからもわかるが、私たちの祖国である「日本」のあるべき姿を論じる。子どもにも読めるようにと読み仮名がたくさんふってある。大きなテーマは、東日本大震災による福島第一原発の事故、第2次世界大戦の硫黄島の戦い、そして日本の近くで採取できる新しいエネルギー資源の3つである。日本を守らなくては、という著者の正義感がひしひしと伝わってくる。
    日本人はなぜ他の国の人に比べて祖国という概念が薄いのか。戦争に負けたからである。戦勝国の言いなりにならないといけない、日本は資源がないから、と思い込んでいるというのが著者の意見である。
    原発事故の前から、原子力発電の専門家としてテレビでコメンテーターをしていた著者は、事故の1か月後には民間人として初めて原発内に入り、記録を取った。原発推進派だが、リスクは徹底的に調べて最小限にすべきという主張である。
    硫黄島(立ち入り禁止)も、民間人でほとんど初めて島の中を自由に歩き回る許可を交渉の末に得て、上陸した。滑走路の下にある遺骨を探したり、一般人が訪問できるようにと働きかけている。
    新しいエネルギー源は、海底にあるメタンハイドレートという結晶で、著者の奥さんが探索システムの特許を持っているという。本を通して、奥さんを博士と呼んで徹底的に称賛しており、違和感は否めない。この資源にどれだけ期待できるのかは、本書からはよくわからなかった。
    やや強烈な主張ではあるが、どれも一理はある。著者の行動力には舌を巻く。
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    投稿日:2020.05.05

  • モゲラ

    モゲラ

    この本のなかには、正論もあれば、熱い思いもあるのはわかる。
    それ以外のものも色々あるのだが、それ以上は、言わないでおこう。

    投稿日:2019.07.14

  • quazism

    quazism

    マスメディアに対して不信感を強く持っているよう思える。頭がよくて真面目な人ではあるが、真面目すぎるのか。今後に注目したい人ではある。

    投稿日:2019.01.20

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