【感想】奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語

高田裕美 / 時事通信社
(22件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 四木

    四木

    フォント自体は素晴らしいです。それによって多く人が救われたのも事実でしょう。
    ただ、そこに至るまでの筆者の人生は自分が求めているものではありませんでした。大変申し訳無いのですけれど蛇足のように感じ、半分以上は読み進めるのが困難でした。

    肝心のフォントについての説明はとても良かったです。いままでの教科書体との違いもよくわかりました。
    こちらのフォントが教育現場でどのように活かされているのか、子どもたちにどう受け止められているのか等、そのあたりのエピソードはとても良かったです。

    9割読んできたのだし、具体的な話が載っているであろうラストのほうが自分が求めていたものだろうとは思いつつ、力尽きました……。残念です。

    フォントについて知りたい方は、「はじめに」と「第4章」(あるいは「第5章」)以降だけ読んだら良いと思います。


    2024/05/07 p.2-22

    p.5,7
    どのように見えているのか再現しているこの表現、素晴らしいです。わかりやすいです。

    p.6

    (前略)文字がゆらいだり、ねじれたり、反転して見えることさえあります。
     こうした障害を「ディスレクシア」(発達性読み書き障害)と言います。

    (中略)
    “1クラス(35人)のうち2〜3人の子どもは、読み書きに何らかの困難を感じていることになります。”
    (中略)
    “それだけ“隠れディスレクシア”の子どもたちが、身近にいる可能性があるのです。”
    聞こえているのに聞き取れないAPD(聴覚情報処理障害)のように、実は身近にいるけれど、気づいていないのでしょうね……。


    2024/05/08 p.22-28

    p.25
    “それなのに、私には何もない。私も「これだけは人に負けない」というものがほしい。”
    多くの人は平凡で、何もないのが当たり前だと思います。全員に負けたって別にいいのです。
    どんなことであっても、誰よりも……と思ってしまうとかなり苦しくなります。自分が穏やかに過ごせるなら何だって良いのです。


    2024/05/09 p.28-33

    2024/05/11 p.33-47

    2024/05/14 p.48

    2024/05/19 p.48-124

    p.48
    “私は毎朝、硯で墨をすり、墨汁を足して、その配合を先輩にチェックしてもらい、合格が出ないと作業ができませんでした。”
    そんな時代があったのですねえ……。それだけで数十分、下手したら最初の1時間が消えてしまいそうです。
    日にちが変わればまたやらなければならないですから、なおさら大変ですよね。ベストなものを保存できたら良いのですけれど。

    p.51
    “いつの間にか、脳内でデザインチェックを始めてしまい、書かれた内容が全く頭に入ってこないなんてこともよくあります(完全に職業病ですね……)。”
    日常生活を送る中で仕事に関するものに反応してしまうのは、いつの時代でもあるあるですね。

    p.55
    “私も男性社員と同じように働かせてください!”
    ここまで熱意があるのは凄いです……。わたしはそんなに働けないです……。

    p.76
    “このカリグラゴシックの骨格をベースとして、「UDデジタル教科書体」が誕生することになるのです。”
    ようやく、この話につながりましたか……!
    あまりにもお仕事の話が長くて挫折しそうでした……。こんなお仕事があったのだなぁ……と思う気持ちはあるものの、興味があるのは教科書のフォント。そちらがメインではないの? と困惑してしまっていました。


    2024/05/21 p.124-195,以降挫折

    p.152
    “展示会などでフォントの説明をすると、教育関係者や出版社、役所の人々から非常に高い評価を得ていたためです。”
    その評価を高田さん等社内の方に伝えていなかったのではないか? と思ってしまいました。伝えていたらきっと、あんなに落ち込むこともなかったのではないかと思います。
    他の会社のやり方にどうこう言える立場ではないですけれども。大人だって褒められたいです。

    p.162
    “2016年5月、モリサワは東京ビッグサイトで行われる「EDIX」(教育総合展)で、UDデジタル教科書体のリリース発表展示を行うことになりました。”
    EDIX出ていたのですね。最近その展示について知ったので、なんだか感動してしまいました。

    p.170
    “先生は、教材を従来の教科書体とUDデジタル教科書体で作成し、見やすいほうを子どもたちに選ばせているそうです。”
    子どもが自分で選べるのが良いですね。読みやすいかどうかは人それぞれですから。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.21

  • snow222

    snow222

    [図書館]
    読了:2024/5/18

    なぜ、UDデジタル教科書体がこうした形状になっているのか、その奥にある思想、研究結果、ディスカッションなど奥深くまで書かれていて、勉強になった。

    投稿日:2024.05.18

  • nijntje1192

    nijntje1192

    胸アツお仕事物語。フォントには元々興味あったけど、開発段階の並々ならぬ工程を知れて、意義深かった。NPとNKの違いって何?という疑問も解決!欧文書体の話も、ディスレクシア·ロービジョンの実証実験も、これでもかこれでもか!続きを読む

    投稿日:2024.05.05

  • Russian Blue

    Russian Blue

    フォントの種類は今本当にたくさんあって、これとこれは一体何が違うんだろう?と思うようなフォントもあったりして
    学習障害については知ってはいたものの、それがフォントを変えるだけで読めるようになるとは知らなかった
    一つのフォントを作るためにこんなにも時間をかけ、こだわり抜き、完成させていく
    その一連が書かれています

    書かれているこのフォントは可愛いと思うけれど、もう少し、もう少し字を大きくしてもらえるともっと読みやすかったな…

    という、フォントについての本なのでフォントへの感想です
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • こっこ

    こっこ

    U Dデジタル教科書体フォント、好きで良く使ってたけどこんな苦労があったのか。。
    フォントのデザインは細かすぎて正直よくわからないとこもあったけど、デザインはそうでないとな。
    たくさんの人が救われて、希望の持てる話。続きを読む

    投稿日:2024.01.20

  • 東京工芸大学 図書館

    東京工芸大学 図書館

    筆者の体験を基に描かれた、UDデジタル教科書体が誕生し社会に広がっていくまでのお話。
    デザインを学ぶ人におすすめです。
    普段当たり前に読み書きしたりフォントを選んだで使っていますが、全く当たり前ではない人もいることを改めて考えさせられました。
    デザイン学科3年
    続きを読む

    投稿日:2023.12.04

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