【感想】敗者としての東京 ──巨大都市の「隠れた地層」を読む

吉見俊哉 / 筑摩選書
(3件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • jif0148

    jif0148

    東京という地は少なくとも3回占領されたという整理ーー徳川家康、薩長軍、米軍ーーに基づく東京論。
    著者の親戚に安藤昇がいたということに基づくファミリーヒストリーは面白いのだけれど、前半の江戸成立にかかる論述は今ひとつかな。続きを読む

    投稿日:2023.10.15

  • reso100

    reso100

    東京の歴史を概括する内容だが、引用されている人物が多種多様で著者の視点の広さ、深さに驚いた.1590年に徳川家康が江戸へ入ったのが第1回で、1868年に薩長軍が進駐したのが第2回目、1945年に米軍が占領したのが第3回目と江戸・東京の大事件を捉えて、この都市の変革を詳細に記載している.やはり1945年以降のストーリーが楽しめた.登場人物が非常に幅広く、清水次郎長、国定忠治、安藤昇のようなやくざから、山口昌男、鶴見俊輔、加藤典洋などの評論家.すごい読書量だと感じた.女工哀史に代表される労働問題の記述も面白かった.続きを読む

    投稿日:2023.08.30

  • echigonojizake

    echigonojizake

    東京は徳川幕府、明治政府、アメリカ進駐軍に3度敗北したのだ、というアプローチがおもしろいので読んでみた。大きな歴史を論じた後に、歴史の影に隠れた庶民の視点が入ってくるのは二面的に歴史をとらえ、さらに我が事として今の東京を見つめる契機になる。

    個人的には徳川家康がやってくるまでの東京の歴史にはいろいろ発見があった。それを素地として敗者の文化も引き継ぎつつ混ざり合ってきたということと理解した。このマーブルのような複雑さが東京の醍醐味かつ訳のわからなさなのだろう。

    アメリカ進駐軍の話しは過去に読んだ筆者の本の焼き直しかなと構えていたら、ファミリーヒストリーを紐解いてくるという予想外の展開。安藤昇が出てきたところあたりから引き込まれていった。ただ、ファミリーヒストリーの印象が強く残り、構造として3度敗れた話しが霞んでしまった。読み直すべきだろうか…
    続きを読む

    投稿日:2023.07.03

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