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小泉悠 / ちくま新書 (62件のレビュー)
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jerico
本当ところはプーチンの頭の中にしかないのだろうけれども、ウクライナ戦争を軍事と政治の様々な状況証拠から読み解いていく。 現在はさらにイスラエルとパレスチナの紛争が起きたり、周辺環境も大きく変動しており…、執筆当時よりウクライナの置かれている状況も苦しくなっており、混迷の度合いはさらに深くなっている。続きを読む
投稿日:2024.05.15
ごま
刊行のタイミングから、全容が分かる!というわけにはいかないが、軍事的な目線が特徴的であり、この戦争のきっかけ、意味するものの一端を感じられる。
投稿日:2024.03.21
chipico117
よくわかってなかったロシアウクライナ戦争の背景。 なんとなくの可能性はわかったけど、プーチンが本当に何を考えているかは不明、という感じか。
投稿日:2024.03.17
ginkan2
いきなり戦争が始まった印象を持ってましたが、その一年頃前から蠢いていたんですね。2.24まで気が付かなかった無知を恥ずかしく思いました。きっとそれなりの報道があったはずなのに!あった? ロシアがウクラ…イナ国内に協力者を作ってたって事も、なるほど。だから、あの作戦だったんですね。でも、確かにこの時代にかつてと変わらぬ塹壕戦の印象ありますし。核兵器の存在がどっちつかずの状態を作り、戦争が長引きかねないおそれ。戦争にもいろんな理論があるんですね。興味深い。また、今日の戦況でも解説が読みたいです。続きを読む
投稿日:2024.03.14
意識低い系
このレビューはネタバレを含みます
東大先端研専任講師にして、軍事オタクでもある小泉悠による新書。最近新書大賞にノミネートされており、またプーチンのアメリカメディア露出が気になり読んだ。2日ほどで読めた。 1章から4章にかけて、開戦前の2021年から執筆時の2022年9月に至る時系列を辿りつつロシア・ウクライナ戦争の政治的原因・推移を考察し、第5章ではそれを踏まえた本戦争の特徴を述べている。 2021年の春からロシアは演習と称してウクライナ国境に軍を大規模展開しており、その時点で軍事的緊張が高まっていた。これにはロシア寄り(というより自国主義のため他国への介入を好まない)のトランプからバイデンへ政権が移ったことが要因として挙げられている。ウクライナのゼレンシキー(これはウクライナ語表記)も、第二次ミンスク合意の批准やNATO加盟をめぐりアメリカとの外交政策を続けていたが、はかばかしい進捗は得られなかった。 2021年9月には春の軍隊が撤退しておらず、それどころか増えていることが発覚。ここでプーチンは「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」という論文を公式発表。ウクライナとロシアの一体性を強調する右翼民族主義的な見解を大統領個人のものとして明確に示した。プーチンの動向は一時平和共存路線をとるかに逸れるものの、2022年明けには開戦は確実に。 当初のロシア側の目的は短期決戦だったらしい。首都キーウに近い北部のアントノウ空港への奇襲からも明らかなように、ゼレンシキーを退陣させ、混乱したウクライナに傀儡政権を樹立することが眼目だった。しかし、ゼレンシキーはロシアの予想を裏切り理想的な動きを見せる。アメリカをはじめとした西側からの武器供与(特にジャヴェリンはウクライナ抵抗のシンボルとなった)も手伝い、ハルキウを守り抜き北部の戦線は膠着、ロシア軍は撤退を強いられる。停戦交渉はウクライナへの歩み寄りを見せる(ただし、ブチャでの虐殺発覚により交渉は決裂)しかし、ロシアはここで東部のドンバス地方へと方針を転換。マリウポリが陥落し、ドネツィク、ルハンシクはロシアの手に落ちる。 当初の作戦に際し、プーチンと軍や情報部との亀裂が明らかに。奇妙なのは、ロシアが戦時体制に入らず動員が限られること。著者はこれを、国民への平穏な生活の保障に原因があると見ている。核兵器の使用も、前著『現代ロシアの軍事戦略』であったように、西側からの介入を牽制する材料としての威嚇にとどまった。 総じて今次の戦争は、いわゆる「ハイブリッド戦争」(戦場外部のファクターが重要な要素となる)のような新しい戦争とは程遠く、むしろ大量動員や兵器の物量によって村落を取り合う古典的な戦争であった。 さすがに現在日本でロシア知識人を代表するような存在なだけあって巧みな論理展開である。現在進行形の現象である今次の戦争が簡潔にまとめられており非常に勉強になった。今後も小泉氏の著書は必読となるであろう。
投稿日:2024.02.13
にくいにいさん
とても読みやすい。専門的な内容のはずなのに、門外漢の自分でもスラスラと読める。筆者の文書力の高さのおかげですね。 テレビ番組などではあまり報道されてないことにも触れられているなど詳細に書かれている一…方で、内容が時系列に整理されていて分かりやすい。また、第5章「この戦争をどう理解するか」は軍事理論の話ですが、平易に書かれていて読みやすい。 第二次ウクライナ戦争はまだ続いてますが、戦争終了後にまた執筆されるのであれば、是非またその本も読んでみたい。そう感じるぐらい、とても読みやすかった。続きを読む
投稿日:2024.02.04
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