【感想】ぼくらは、まだ少し期待している

木地雅映子 / 中央公論新社
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
3
4
10
2
1

ブクログレビュー

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  • tweelingen16

    tweelingen16

    ほとんどの登場人物が重過ぎるバックグラウンドを抱えているが、省くところは上手く省いているので、読み進めることができる

    年齢にそぐわない資産を持ち、成績優秀で母と異母弟と犬と暮らしている主人公
    同じ成績優秀者同士で顔を合わせることの多かった同級生から相談を受けるも、途中で彼女を置いて帰ってしまう
    すると翌日から彼女は行方不明に…そんな彼女を探しながら自分の過去や避けていた他者と関わっていくことになる
    特異な経験により達観しているというより、引きずり込まれないために自分を制御している主人公
    そんな主人公の変化を感じつつ、俯瞰することと当事者になること、どちらも正解でどちらも不正解になることの矛盾を感じる

    最後の方でタイトルと装丁がストンと腹落ちする
    きっと読み手の年齢や立場が変わったら、感じ方も変わるのだろうなと思う作品
    数年後に再読して感じることが変わるか試してみたい
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    投稿日:2024.05.16

  • 磯野波平

    磯野波平

    頭脳明晰な高校生の土橋輝明が、異母兄弟の吉川航と共に、失踪した同級生の秦野あさひの行方を追う物語。

    高校生が主人公なので、割と今時のポップな文体で物語が進行していく。しかし話の内容としては複雑な家庭環境で育った登場人物達ということもあり、児童虐待など重いテーマを含んでいる。本来頼るべき大人に頼れなくて、ままならない現実と戦っている姿が印象的。

    舞台は北海道→埼玉→沖縄→北海道と移り、ややロードノベル的な要素もあったりする。輝明は旅を通じ、色んな世界を知り、自分にとってあさひの存在がどういうものだったかに思い至る。終盤、輝明があさひからの電話で思いを伝えるシーンは本当に熱い。普段斜に構えることの多い人物だけに本音のメッセージが聞けてグッとくる。

    この本は娘が読んで面白かった、と紹介を受けて手に取ってみたが、大人こそ読むべき本かもしれない。若者達が少しでも未来に期待を持てるように。

    作中で登場した『アルジャーノンに花束を』を読んでみたくなり、早速本棚に登録したけど、読みたい本が加速度的に増えて追いつかない!一日が24時間じゃ全然足りないと思う。
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    投稿日:2024.04.21

  • のこーく

    のこーく

    文章のテンポはよかったけど、情景を想像することが難しかったり、感情移入できる登場人物がいなくて、入り込めずに終わってしまった…
    一人一人のキャラが濃くてセリフの勢いで読んでて頭に入らなかったのもある。
    テルとあさひが幸せであれば良いかな。
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    投稿日:2024.01.20

  • ナンシー

    ナンシー

    なるべく深く関わりたくないような問題が,世の中にはたくさんある
    幼児虐待の話も,そのうちの一つで、深い悲しみを伴うので,読んでいて辛い。
    だが、この主人公テルが他にぶれずに存在してくれ、ともに、進んでいくことができた
    少しの期待は,生きる糧になる
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    投稿日:2023.10.09

  • 望月もち

    望月もち

    【ネタバレ無】【感想】
    「当事者になる覚悟」はあるか?
    読者へ問いかけられるようでズキリ。

    世間に溢れている目を背けたい人間関係。
    知ろうとすれば、背きたくなるような相手にもストーリーはあってその感情に触れてしまう。
    感情の流入をせき止めて静かに過ごしたい。
    なんとなく関わりたくない…もういいじゃないか。

    けど、まだ、少し期待している。

    そして結末でのさらっと見えるさりげない変化。
    それに気づいてさらにカタる
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    投稿日:2023.08.02

  • 火曜金曜燃やせるゴミの日

    火曜金曜燃やせるゴミの日

    わかりにくいというか、話がはいってこなくて、何回も途中で諦めそうになりながら最後まで読んだけど、結局特に何の感想も思いつかない。

    投稿日:2023.05.21

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