【感想】彼女たちのいる風景

水野梓 / 講談社
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ハルめめ

    ハルめめ

    大学時代からの親友同士の女性三人。30代も半ばを過ぎ「母」「妻」「女」の役割を背負っていく。隣の芝生は青いとばかりに妬んだり、自分の方が幸せだと相手を比べて肯定感を得る。仕事や子育ての中で鬱屈とした閉塞感に、身につまされる。途中からテイストが少し変わり、生きる意味やどう生きるのかに焦点が絞られていく。「ひとが生きる意味は、自分のなかにはない。」という言葉が印象的。面白かった。続きを読む

    投稿日:2024.04.29

  • エル

    エル

    隣の家の芝生は青く見える。その人がどんな苦悩を抱えているか知ることもなく、他人を羨み、妬み、嫉妬し自分と比べて落ち込んだり憐憫したり。大学時代からの女友だち3人のそれぞれの生活は誰が幸せ?幸せの意味や、他人と比べることの愚かさ、そして生きる意味を考えさせられた一冊。というか、すごく良かった!3人がこれからどうなるのかハラハラしながら一気読み。続きを読む

    投稿日:2023.03.26

  • よつば

    よつば

    「こんなはずじゃなかった」
    彼女達の声にならない悲痛な叫びが何度も頭の中でこだました。

    序章で描かれる卒業証書を持つ袴姿の女学生の姿が、かつての自分とリンクする。

    あの頃は怖いものなんて何もなく未来に希望しかなかった。
    年齢を重ねるうちに社会に蔓延る理不尽に気付き、仕事や結婚、出産、育児、躓くたびに努力で叶わない現実がある事を思い知らされた。

    彼女達に襲い掛かる突然の病や子の発達障害。
    一体誰がそんな未来を予想しただろう。

    自らの心に潜む醜い感情に対峙しながらも精一杯生きる姿に共感し、そんな彼女達が愛おしくて堪らない。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.18

  • ぽてち

    ぽてち

    大学のサークルで出会って意気投合した3人の女性たち。彼女たちが38歳となったときの、それぞれの人生を描いた作品だ。
    1人は結婚・出産後育児休業中、1人はシングルマザーで奮闘中、1人は結婚後なかなか子供ができず悩んでいる。
    そんな、仕事・結婚・子供に悩む姿を主軸に、現代を生きる女性が共通して抱える問題も取り上げられている。このあたりはさすがだなと思う。
    前2作はミステリーだったが、本作にはそうした要素はあまりない。より幅広い読者に受け入れられるのではないだろうか。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.04

  • KAORI

    KAORI

    中盤まではリアルティ溢れて
    とっても面白くて、
    共感しきりだったのだけど、

    終盤、全てがうまいところに収まって、
    結局誤解や勘違いだったのねみたいな、
    そんな『めでたしめでたし』みたいな終わり方が
    なんか納得できないというか、
    現実味がないというか、
    いまいちスッキリしない読後感でした。

    続きを読む

    投稿日:2023.01.18

  • べあべあべあ

    べあべあべあ

    このレビューはネタバレを含みます

    女って損だな、って思うことがある。まぁ、女で得したと思うこともあるけれどそれよりはるかにおおくの損を感じて生きてきた。

    結婚しようがしまいが、仕事をしようがしまいが、子どもを産もうが産むまいが、人生の中のところどころに現れるたくさんの選択肢の、どの道を選んでも結局「こんなはずじゃなかったのに」「なんで自分だけ損するんだろう」と思うことがある。
    女が妻となり母となる。そのそれぞれの「役割」を演じながら、あるいは役割を生きながら目の前に広がる苦労をひとつひとつつぶして歩いている。
    不妊治療、シングルマザー、マミートラック。女から母になる中で出会ういくつかの困難。そのひとつひとつを水野梓は真正面から受け止めて描き抜く。
    読んでいて息苦しくなってくる。彼女たちの声にならない声が耳元で響く。こんなはずじゃなかった、と、自分だけがなぜ、のループに陥っている三人の女たちの、それでも投げ出さない強さ、曲がってもおれない強かさに勇気が湧いてくる。
    前を向いて歩いていく。私が私の道を選んで行くんだ、とうつむかずに歩いていく。私も一緒に歩いていく。

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    投稿日:2022.12.01

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