【感想】同和と銀行 ―三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録

森功 / 講談社+α文庫
(16件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ぼのぼの

    ぼのぼの

    元三和銀行員・岡野氏が、飛鳥会代表・小西氏の人物像や行動を振り返る、回顧録。
    ノンフィクションであるが、意外と読み易い。

    パッと見は「銀行が脅されて80億円の融資をして、それが貸し倒れた」と思われがちな事件。でも銀行にとっても小西氏は都合の良い存在だった、という内容。

    岡野氏は、みんながビビってた小西さん相手に自分はよく渡り合った、銀行内でもお偉い方に感謝されてた、と全く後悔ない様子…

    小西逮捕の騒動の後は自殺者まで出てしまってるし、後任や後世に迷惑・負担をかけてしまう、「そのときが良ければ」の取引はするべきじゃないよなあと思ってしまった。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.07

  • 碧岡烏兎

    碧岡烏兎

    烏兎の庭 第四部 書評 3.10.12
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/diary/d1203.html#0310

    投稿日:2020.05.06

  • もとこ

    もとこ

    ヘビーな内容のため、読み進めるのに意外と時間がかかってしまった。

    この本を読む前に同じ著者の「地面師」を読んでおり、そちらも一連の事件の背景を読みやすくまとめた一冊という好印象を持った。しかしこの「同和と銀行」は、取材のち密さと内容の濃さ(大変な濃さ……!)、そして取材対象に向けた熱意といった面で、前者を凌駕する読書体験をもたらしてくれた。

    この本でも述べられているように、銀行をはじめとした金融機関というものはビジネスに利用できるものはとことん使い尽くし、一旦取引が事件化したとなるとあっさり裏切るものだという印象を抱いている(なので銀行が憧れの就職先、というちょっと前までの傾向には個人的に違和感を抱いていた)。

    しかしあの高度成長期、そしてその後のバブル経済の中、銀行もその他企業もとにかくなりふり構わず利益を追求していたからこそ、日本経済はあれまでに栄えたのであり、そのために利用できるものを利用して何が悪い、という気持ちも十分理解できる。企業は生き残るために、サラリーマンは自らと自らの家族を守るために、とにかくシャカリキになって働いていた、そんな中で同和関係者、反社会的勢力をやむを得ず利用していた。この本で描かれているバブル期の景気のよさは、今から振り返ると本当に華やかだが、冷静にその実態に迫ってみると、ちょっと前まで貧しかった日本から必死に背伸びしようと必死な人々の姿が見えてくる。そこから伝わってくる悲哀感が根底にずっと鳴り響いているような、回顧録だった。
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    投稿日:2019.09.01

  • memo

    memo

    経済事件ドキュメントとして大傑作/ ニュースや紙面でしか事件を知らない人は、同和の偉い人が銀行を脅迫して資金を引き出したようにしか見えないだろう/ 三菱東京UFJの80億円返還訴訟/ 暴力を背景にしただけの経済事件ではないことがはっきりと書かれている/ 銀行主導の土地開発で散々同和団体の威力を利用して、共存・協調して稼いできた銀行が支部長を裏切るくだりは泣ける/ 支部長はヤクザなど銀行から借りられない連中に名義を貸して、三和銀行から金を借りてやっていた/ しかし担保もしっかり入れさせ、筋は通していた/ 貸倒れはない/ しかし銀行が怠慢で担保処分せず焦げ付いた/ 名義人に掛かる一斉返還訴訟80億/ 老人ホームを運営し、大金を注ぎ込み、老人たちを旅行に連れて行って自分で酌して回る/ 弱者に優しい部分を見せられ、読んでいてほだされてしまう/ 大阪のニューゲートビルや、大阪駅前第三ビルのサージ事件、許永中など、バブル期の見所満載/ 大阪府警や税務署までもこの同和の支部長に遠慮をしているのが、時代を感じさせる/ 読んでよかった/続きを読む

    投稿日:2019.05.05

  • mmaechi

    mmaechi

    この事件自体全く知らなかったので、肝心の飛鳥会事件のことは中心には描かれなくてちょっと戸惑った。
    それでもバブル期の金融機関のガバガバ融資にはびっくり。保証機関とかどうなってたんだろ。
    三和銀行側でパイプ役になっていた岡野という人が小西の人となりを語っているんだけど、あの立場にいたのに「私は悪くありまへんで!犯罪絡みのことはなーんも見てまへん!」という主張がに終始見え隠れしててすごい。続きを読む

    投稿日:2019.03.08

  • shinano

    shinano

    同和の大物と銀行との関係を描いたノンフィクション。
    ただ、ネタ自体の意外性があまり大きくないせいか今一歩といったところであった。
    想定の範囲内の内容。

    投稿日:2017.07.04

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