【感想】立ち飲みご令嬢(2)

松本明澄 / イブニング
(1件のレビュー)

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  • 『黒犬』の優樹(2)

    『黒犬』の優樹(2)

    このレビューはネタバレを含みます

    この(2)も良い&酔い飲みっぷりでした、美子お嬢様。
    美女が美味しいお酒と食事で幸せを噛み締める、それだけ、と言ってしまえば身も蓋もないが、そこがイイのである。
    シンプルなものこそ、その良さを引き出して、読み手に伝えるのは簡単じゃない、と私は思う。なので、松本先生は、確かに高い実力を持っているのだ。
    今更だが、話の舞台を、居酒屋ではなく、立ち飲み屋に絞っているのが良いんだろうな。
    居酒屋をメインにした漫画っつーと、どうしても、ドラマ化もされて、なおかつ、連載期間も長い、『ワカコ酒』の方が印象として強いからな。
    人によっちゃ、舞台を同じにしなかったのは逃げだ、と思うだろうが、自分が描きたいモノを満足行くまで描くために、あえてズラす戦術を取るのは悪くない、と思う。
    実際、今、この『立ち飲みご令嬢』は『ワカコ酒』に劣らぬ人気が出つつあるんだから、その結果が、立ち飲み屋を舞台にしたのは正解って証明になっているんじゃないだろうか。
    美子お嬢様は基本、一人飲みをビクビクしながらも、何だかんだで楽しんでいるが、時々、(1)でお酒の力を借りて仲良くなった友達とも吞んでいる。そんな成長が感じられるのが、この(2)の良さだ。
    そんな(2)では、美子お嬢様のお付きのメイドである静が登場し、彼女も立ち飲み屋デビューしている。ただ、彼女は美子お嬢様とは逆で、お酒がダメなタイプ。下戸が立ち飲み屋に来ちゃいけないってルールもないので、彼女にも、これから、立ち飲みライフを楽しんで欲しいトコだ。
    私が、この(2)で推す回は、14軒目「パリパリきゅうり&タコ唐揚げ」だ。ぶっちゃけると、この話で、美子お嬢様はお酒を楽しめていない。ざっくり言えば、二日酔いなのだ。そんな酒飲みのあるあるが、下戸の私には、むしろ、楽しい。また、私が好きなキャラである小鳥葉が、実にみっともない様を晒しているのもグッと来た。

    この台詞を引用に選んだのは、この爺さん、かっこよ、と思ってしまったので。
    決して、イケメンなおじいさんじゃないんだけど、その言葉には、酸いも甘いも噛み分けられる良い人生を送ってきた者だからこそ出せる味が宿っていた。
    私も、こういう感覚を大事にした高齢者になりたいものである。
    「足腰が痛くてねぇ、立っているのがやっとだよ。でも、家で魚食べたいって言えなくてね」
    「(お年寄りは、心が読めるのか?)何故ですか?」
    「家族が皆、魚嫌いでね。一人だけ焼いてって言うのも悪いし・・・作るの、同居してるお嫁さんだからさ。別に、スーパーで出来合いのを買ってきてもいいんだけど、脂がジワジワいったやつを食いたくてね。でも、居酒屋だと、一品だけ頼んで帰るの忍びないし、立ち飲み屋が丁度、良いんだよ」
    (わかるぞ、立ち飲み屋の丁度良さ・・・)
    「安いし、足の運動にもなる・・・しっ」
    (ああっ)
    「だから、この店、入った時は『見つけた』って思ったね。『なんて事ない』感じが、家と外の間みたいで丁度、良いんだ」(byプルプルおじいさん、神乃美子)

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    投稿日:2023.08.27

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