【感想】ライオンのおやつ

小川糸, くのまり / ポプラ文庫
(452件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
218
149
62
9
1

ブクログレビュー

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  • 朱

    しーちゃんが入居した「ライオンの家」で出会うおやつや食べ物を通し、心を生き返らせていくお話、彼女のお話を読んで私もこんなところで最後は過ごしたいと思った。
    最後の最後しーちゃんからのプレゼントにはじーんときた続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • 2061817番目の読書家

    2061817番目の読書家

    瀬戸内の空気感もあってか始終清々しい雰囲気で進みます。もちろん途中めっちゃ泣きました。

    齢33歳という若さで誰を恨むでもなく誰に恨まれるでもなくこの世を去ろうとする主人公に対し、憐れむ気持ちがよぎった私の心をこのセリフが晴らしてくれました。

    「だからしーちゃんは、いい子じゃなくて、強い子だったんだなぁって、思うよ」

    ああそうか、ちゃんと見てくれていたんだと。素敵な作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.13

  • まりころ

    まりころ

    このレビューはネタバレを含みます

    ‣ 幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。

    ‣ もっとわがままになっていいのだと、海が、風が、私にそう囁きかける。あるがまま、ってこういうことだったのかと、海を見ていてわかった。海の水は、決して風に逆らわない。打ち寄せる波は、無抵抗な水の、あるがままの姿だった。

    ‣ 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう」

    ‣ 人生はままならないもの。それが、三十年ちょっと生きてきた私の実感だった。だけど、ままならないからこそ、その障害を乗り越える楽しさもまた、味わえるのかもしれない。

    ‣ 「せっかく生きているんだからさ、おいしいものを笑顔で食べなきゃ」

    ‣ あの時、確かに私はその時間を楽しんでいた。自分の旅立ちの時に着る服を選ぶという過酷な状況にあっても、人はそのことを楽しめる。それは、紛れもなく私自身の強さの証だった。

    ‣ 生きたい。この体のままもっともっと長く生きて、この世界にとどまりたい。

    ‣ 近所の人からも、学校でも、友達のお母さんからも、雫ちゃんは、いい子ね、と言われた。だから、いい子じゃない自分がいたことを知って、おじいちゃんに怒られた時、私は少しうれしかったのかもしれない。

    ‣ 「しーちゃんが優しい人に育ってくれて、お母さん、心から幸せです」

    ‣ 私は、以前よりもだいぶ不自由になった体で、時々笑い、時々泣いた。まだ、感動する心を失っていないことに感謝だ。だけどその涙はもう、百パーセント、喜びの涙だった。自分はなんて幸せなんだろう、そう感じるたびに、私の目からは涙があふれた。

    ‣ すべては、私の人生の結果。生きてきた時間の結晶が、今だ。だから私が私の人生を祝福しなくて、誰が祝福するの?

    ‣ 今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。わたしの人生には、「今」しか存在しなくなる。

    ‣ そんなに簡単に、自分の生き方を変えることはできないもの。でも、自分の人生を最後まであきらめずに変えようと努力すること、そのことに大きな意味があるのだと思った。

    ‣ 生きることは、誰かの光になること

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • るな

    るな

    タヒチ君のおかげで、レモン島がタヒチのような美しい景色をながめながら、最後の時を過ごすのだろうと思った。

    残された者が海野雫を語る時に
    涙が溢れました。
    人は誰かの宝物

    投稿日:2024.04.12

  • ピ

    雫さんが癌にならなければ、タヒチ君には会えなかった。『思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変える』
    この言葉は忘れないでいたい。

    投稿日:2024.04.11

  • aKane

    aKane

    こういう場所で人生を終えたら幸せなんだろうなと思った。間際に全てのものに感謝できて人として良くなっていく描写が良かった。死んじゃう前の不思議な出来事や死んでから周りの人に起こる不思議なことが現実にもあれば面白いな、あってほしいなと思う。続きを読む

    投稿日:2024.04.09

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