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ジャック・ロンドン, 辻井栄滋 / 白水Uブックス (1件のレビュー)
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キムチ27
「白い牙」ほか2冊を読んでいる筆者。自伝ともいわれる当作品、彼の人格と対峙するのが息苦しくなるほどの内容がある。 訳が素晴らしく、読み易いが、内容が刻苦凄烈な為、読み続けるのはせいぜい30ページという…とっかかり。500ページ余の本だから、これじゃ、余りにも遅読。 返却の日に頑張って読み切った。 最後は「人は死すれば自然に還る」ごとくあっけなかったが、そこまでに至る80ページは文字通り、血反吐を履いて呻吟が聞こえてくるような歩みの生き方に感じられた。 本人自身、尿毒症とモルヒネ多量の長期間過剰摂取による死去とあるように この子の作品が等身大であることが認識できる。 最後に心を通わせあったプリセンデンがベッド上で自死したのは関連があったのだろうか。生まれも育ちも異なるルースとの出会い、その家族からの忌避的な扱いにもかかわらず燃え上がった恋の焔・・が最後には潰えて 互いの距離、異質をかみしめる。 教養を得て這い上がり、ドルが次々と振り込まれての彼に残ったのは人格の灰だったのかもしれない。 これ、英ガーディアン紙がおすすめ1000冊の一冊・・これって個人的に何ら関心が持てない。合う人は合うし、それに己を合わせて追従するのも、奇妙。続きを読む
投稿日:2023.06.28
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