【感想】学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち

本田秀夫 / SB新書
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
8
6
3
1
0

ブクログレビュー

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  • ひなねこ

    ひなねこ

    発達障害の子を持つ親や、学校の先生にはぜひ読んでもらいたい本。どんなことを学校に期待すればよいのか。学校をどのような場にしていくのか。これからの学校教育をどのようなものにするのか。「おわりに」に書かれた「子どもたちを追いつめるのは、もうやめませんか?」の言葉が切実に感じられた。具体的には、親と学校のコミュニケーションの取り方がとても参考になる。「要求」ではなく「相談」。続きを読む

    投稿日:2024.03.16

  • otabechan

    otabechan

    このレビューはネタバレを含みます

    そろそろ我が子の小学校入学が見えてきたことと、身近なところに発達障害や自閉症である子がいることから、学校教育の中での発達障害を抱えた子供たちの環境や配慮を知りたくて手に取った本。

    以下、私の心に残ったポイントを中心に抜き出し。
    <サマリ>
    ・「授業や学習環境」と「子どもの特性」が合っていないことが、教室を飛びだしてしまう理由になるケースがある
    ・発達障害は、障害というよりも、少数の部族のようなものととらえると良い
    ・発達障害の子どもたちが学校で困ることの要因として、「学校の標準が狭すぎる」「子どもが標準的にやるべきことが多すぎる」ことが挙げられる
    ・子どもは「社会に出ていくための土台をつくる」ために学校へ行く
    ・文科省提唱の「インクルーシブ教育」とは、全員が共に学べるような仕組みで教育を行うこと
    ・曖昧な物事を理解するために、「視覚構造化」の手法が取り入れられることがある。曖昧な環境では子どもたちは「空気を読む」練習をしてしまう
    ・ユニバーサルデザイン⇒合理的配慮⇒特別な場での特別な教育
    ・子どもが本当に学ぶときとは、「ここまで来たから、次はもう少しやってみよう」と意欲をもって取り組んでいるとき
    ・小中学生で最も必要なことは、社会で生きていく力を身につけること。その子の得意なやり方で、すこしずつ、総合的に。
    ・学校が子どもたちにとって主体的に何かを学びとっているかどうかが大事
    ・子どもの意欲は準備に現れる
    ・勉強を通じて、得意不得意を知ることができる
    ・テストは努力の成果を測るものではなく、現状を知るためのもの
    ・子どもには、好きな事だけをやらせるのではなく、好きな事を活動の中心に置きながらも、実際にいろいろな体験をしてみることが大事
    ・成績よりも、モチベーションを大切にする
    ・特別支援教室では、「居場所」という発想を持つことが大事
    ・みんなで一緒、よりも、お互いリスペクト
    ・人に迷惑をかけてはいけない、という考え方は人の悪徳の一つ
    ・共生社会と作っていくためには、人情ではなく、契約で解決。自分の考えと相手の考えをどこで折り合いをつけるか
    ・教育は、共通項を少なく、オプションを多く。
    ・宿題で「むずかしかったらやらなくても良いよ」は子どもに劣等感を植え付けるような結果になることがある

    <所感・意見>
    タイトル通り、発達障害の子どもたちについて記載されている本だが、子どもとの向き合い方や声掛けの仕方、親のエゴが欲目が子どもに与える影響、という観点でも非常に参考になった。例えば「難しかったらやらなくてよいよ」とか、私も言ってしまってる。反省。
    この本は最初に5つの問いが出されていて、おおむね著者の回答と私の回答は似ていたのだが、1つだけまったく異なるところがあった。それは「学力」の定義。
    私は、「学力とは、自分の興味・関心がある分野で将来社会貢献していくために、その礎となる知識と考える力のこと」と記載したが、著者はより自分からの自発的なモチベーションや興味関心を主眼としていた。著者の意見が必ずしも正解というわけではないが、私は知らず知らずのうちに、「社会貢献」や「知識」といった成績偏重型の考え方が身についていたんだなと自分のバイアスに気づくことができた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.19

  • 堀田和秀

    堀田和秀

    学校の常識を見直す時期に来ていると思いました。
    多数派の意見を重視するのではなく、それぞれの子に応じた内容を提示して、どの子もできる教育を目指す。そのことを強く思いました。

    投稿日:2023.09.24

  • baum001

    baum001

    今のままの学校教育では社会勉強が全くできない。発達障害当事者だけでなくても、横並びで受け身教育をやめ、どんな相手にでもお互いにリスペクトできる環境にする事が必要

    投稿日:2023.08.14

  • 阿羅漢

    阿羅漢

    教育現場での発達障害児童の対応には、まだ様々な課題があるだろう事は推察できるけれど、書店でこの本を手に取った時に求めていたものは、その課題の中でどのように対処していったのかの臨床例を盛り込んだ内容だったので、正直期待はずれの感は否めない。

    保護者と教育現場の歩み寄りのあり方とかも若干触れられていたけど、どちらかと言うと、教育現場の枠組みに物申す的な内容として読みました。
    または、これから改革をするにあたっての指針的な?
    どっちかって言うと文科省に向けた1冊なのかな。

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    投稿日:2023.06.27

  • 朋 子

    朋 子

    どちらかというと障害の社会モデルに立って、子どもの学ぶ権利を保障しよう、という趣旨と理解した。親が通常教育が望ましいと思っても、早くから支援教育を受けた方が子どものためには良いとの点、胸に刻みたい。

    投稿日:2023.05.20

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