【感想】ひと夜の恋 元禄お犬小屋異聞

諸田玲子 / 中公文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mi-key

    mi-key

    このレビューはネタバレを含みます

    「元禄お犬姫」を読了後、すぐにこちらへ。
    同時期の話とはいえ、様相はがらりと変わって十万匹のお犬さまを収容する御囲でお犬世話係をする犬吉の一人称で物語は進む。
    遊郭で生まれ育ち、旗本にひかれたのち改易に遭い、御囲にたどり着いた犬吉は、亡くしたお犬さま雷光の魂と語り合うことでなんとか日々を生きていた。
    そんな中、赤穂浪士の討ち入りという大事件が起こり、御囲の中は異常な興奮状態になり、犬吉の身に悲劇が起きようとしていた…。
    捨て鉢に生きてきた犬吉が、お犬同心の依田との出会いを経て前を向いて自分の人生を生きようと決意する。それはとても清々しいし、この時代の売女と同心の間にはどうしようもない壁があるのもわかるけれど、結末にはやっぱり物足りなさを感じてしまった。

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    投稿日:2022.10.23

  • fuku ※たまにレビューします

    fuku ※たまにレビューします

    先日、某公共放送局の歴史番組を見ていたら、『生類憐れみの令』が施行されたあと野犬を保護するための広大な『御囲』があちこちに建設されたと知り、そのあまりの広さに驚いた。

    この作品は令施行から十年、その『御囲』で犬の世話をしている吉(通称・犬吉)が、赤穂浪士が討ち入りを果たした翌日に事件に巻き込まれた、長い一夜を描く。

    期待していた内容とは違っていて残念。
    赤穂浪士の討ち入りを描かれた諸田さんなので、この『生類憐れみの令』と赤穂浪士事件との絡みが描かれるのか、そこに主人公・吉がどう絡むのかとワクワクしながら読んだのだが、結果的には予想からは大きく外れる内容だった。

    廓の世界しか知らない吉が、雷光という可愛がっていた犬の幻影を追って『御囲』にやってきたものの、そこでの暮らしは廓と変わらない。
    訳あって『御囲』にやってきた侍・依田に同じく訳ありな熊平。
    他にも『御囲』には「生類憐れみの令」で人生が変わった者がたくさんいた。

    この物語は『御囲』に囚われ思うようにならない人々(犬たちも)が、この一夜を転機に何かが変わる、それを描きたかったのかなと思うが、吉の境遇を思うと辛い。依田が懐の深い男なら良いが。
    犬たちの運命もあまりに辛い。
    少しは良い飼い主に出会えて幸せになれた犬がいたら良いのだが。
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    投稿日:2022.09.18

  • 中央公論新社

    中央公論新社

    「生類憐みの令」のもと犬を収容する「御囲」に、「犬吉」と呼ばれる娘がいた。赤穂浪士が討ち入りを果たしたあくる夜、彼女の身に起きた運命の出来事を描く。

    投稿日:2022.06.07

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