【感想】世界の愛し方を教えて

ヰ坂暁 / 講談社タイガ
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 4614

    4614

     どこまでも登場人物がギラついていて、読了後は凄まじいものを読んだなと感じてしまいました。
     舞台は異世界の人と心が入れ替わる病が存在する世界。異世界人にして人気アイドルの少女が自殺しようとする場面にその少女の元の人格と交流のある少年が遭遇し物語りが始まります。この世界に飼い慣らされることに対して一矢報いようとする少女と、その姿を映画にしようとする少年の叛逆の物語です。
     読んでるときのイメージとしては坂口安吾の堕落論に近いものでした。欲するものを素直に欲し、嫌なものを嫌という人間本来の性質。社会で生きるうえで周囲と合わせるため、孤独にならないため、飢えないために無意識に抑え込んでしまうその性を思い出させてくれるような作品でした。安吾も堕落論のなかだったかでその性に素直に生きることは孤独になるとしているわけですが、本作はそこが色濃く描かれているように感じました。当たり前のようですが、自分本意に生きることはそれなりに敵をつくるわけです。安寧を目指すならそれが一番ですが、心のどこかでそんな安寧に息苦しさを感じるときがあります。本作はその息苦しさを救うのではなく、その苦しさに向き合う姿を示している作品でした。良かったのはそこで向き合えたからハッピーなんてことはないのに、読み終えると向き合いたくなるように士気が高まるところでした。
     牙を向き続ける若人たちは世界や運命に暖かく迎えられるどころか、むしろより強い武器で殴り返されるような展開とラストを迎えます。それでも彼らはこれからもこの世界でわがままに自分勝手に生きて貪り尽くすんだろうなと思い、自分も半歩だけ見習えたら世界を好きになれるかもなと感じました。
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    投稿日:2023.09.20

  • カピバラかえる

    カピバラかえる

    異世界人転生と内容がSFっぽいけど、自分の意思を強く持ち、立ち向かう姿がすごいかっこよく、ハッとさせられた。

    投稿日:2023.06.18

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