【感想】ダンシング玉入れ

中山可穂 / 河出書房新社
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
5
5
6
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • サマー

    サマー

    ダンシング玉入れとは・・・
    宝塚歌劇団で10年ごとに開催される大運動会の種目の一つである。
    今や、各地の小学校の運動会でもド定番になりましたね。

    主人公のコリオレイナス(もちろん本名ではない、コードネームである)は、病気か事故に見せかけて殺害することを得意としたプロの殺し屋だ。
    宝塚歌劇団月組トップスター三日月傑を、殺害されたとわかられないように殺すことをミッションとして課せられた。
    そのような特殊な殺し方をするには、まずはターゲットの生活パターンなどを詳しく知る必要がある!ということで、ヅカオタ・ハーミア(もちろん本名ではない)の手ほどきを受けて宝塚を観劇、グラフに歌劇におとめにスカイステージ、宝塚沼にどんどんハマっていくコリオ。
    どうしても三日月傑に死んでほしくなくなって、三日月を狙う別の殺し屋やストーカーを殺すコリオ。
    物語後半は、立派なヅカオタに成長したコリオがヅカトークをする場面ばかり。私は何を読んでいるのかしら・・・。

    コリオの想像したダンシング玉入れが、ラインダンスをしながら足の指で玉入れの玉を挟んで足上げのときに玉を放り投げるというもので、んなわけあるか~い。
    でもできそうだよね、ジェンヌさんなら。

    三日月殺害の依頼者が判明したときは、結構意外だったな。
    どんどん痩せていくトップさんたち見て、私も不安を感じることはあるけど。
    ジェンヌさんたちは、本当に「命をかけて」いると思うけど、本当の意味で命はかけてほしくないんだよね。迷ったら自分と自分の人生を一番優先して欲しい。ファンはつらいだろうけどね。
    現実にはコリオも雨組もいないから(いるのかもしれないけど・・・と思わせるほどの熱心さは皆にある)、ジェンヌさんが自分で自分を守れますように。

    コリオは、ご贔屓を守りぬいて、我が人生に一片の悔いなし・・・というところでしょうか。

    2023年9月に宝塚の時は止まり、再び時計の針が動き出しても、完全に元通りにはなりません。
    大運動会も行われる見込みもないまま、110周年の年は流れていきます。
    この本は2022年に発刊されたものですが、当時はこんな事態になろうとは誰も想像せず、楽しいヅカライフを送っていたのですよね。
    この本はヅカオタ要素だらけで、ファンとしては楽しい本だったけど、今読むと、なにも考えずにただ観劇を楽しみ贔屓にしびれていた当時の気持ちや、今日と同じ日々がこれから先もずっと続くと思っていた当時の自分を思い出して、切ないような悲しいような、苦しい気持ちになります。
    これから宝塚はどうなっていくのだろう。戻れない過去と、見えない未来。
    中山可穂さんは、また宝塚シリーズ書いてくれるかな。
    続きを読む

    投稿日:2024.06.06

  • びちょんくん

    びちょんくん

    ヅカ沼に落ちるスピードに笑った。フィクションの中にひとさじのノンフィクションがあるから、ありえない展開でもあるかもと思わせられる。ラストはある意味とても美しくて好き。光が強ければその分闇も濃いのね。

    投稿日:2023.10.30

  • 和泉

    和泉

    このレビューはネタバレを含みます

    中山さんの宝塚三部作の一つ『娘役』で主人公はご贔屓さんの最後の晴れ舞台を見れずに死んでしまったので今作はどうだろうかとはらはらしながら読み進めましたが……
    哀切漂うラストにああ…と声が漏れてしまった

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.26

  • むん

    むん

    図書館。中山可穂のコメディ(?)も読んでみたかったので。
    読んでる間、ドキドキやハラハラや、あるあるに対する笑いなど、色々味わえた。けど、ラストに笑いが引いてしまった。やはり「ああいう状態の人間になる」というのは、重く、辛いことなのかな…。続きを読む

    投稿日:2023.02.22

  • monika

    monika

    このレビューはネタバレを含みます

    宝塚×殺し屋、中山可穂さんの好きなジャンルで楽しく描きました、といったところなのでしょうか。
    とにかく新作を出してくださるだけで嬉しいし、人物描写が見事で、楽しく読みました。


    できればハッピーエンドがよかったけど、それもまた中山さんらしさ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.21

  • ゆき

    ゆき

    このレビューはネタバレを含みます

    殺し屋さえも虜にするヅカ沼恐るべし…笑笑

    私も生粋のヅカオタなので、主人公が堕ちるポイントが嫌というほどよく分かって、終始ニヤつきながら読みました。

    コメディベースなのでさくっと読めます。

    作者さんもあとがきで書かれてますが、舞台となっているのはコロナ禍以前の宝塚の世界。客席降りしかり出待ち入り待ち、お茶会も、宝塚ならではの習慣がすべて存在しています。

    今もちょくちょくコロナ関係で休演することもあり、ファンは気を揉んでいます。

    きっとこの物語に描かれているような世界が近いうちに必ず戻ってくることを信じています(^^)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.09

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。