【感想】OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る

ヨハン・ノルベリ, 山形浩生, 森本正史 / ニューズピックス
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
3
4
2
0
1

ブクログレビュー

"powered by"

  • nirota0703

    nirota0703

    ■■概要・感想■■
    ○人類の歴史を振り返ったときに、OPENさを基調とした組織は発展し、クローズドな組織は発展しなかった。その実例たんまりで解説した本。
    ○これとFACTFULLNESSとを続けて読んだことで、自分の常識が古くて間違ったていたり、懐古主義だったりすることに気づくヒントを得られた。
    ○OPENであることの重要さとともに、Closedになってしまう心境、本能、実例などがある。両方の側面から見ることで、それでもOPENでいることは大事。というか、今まで成功した事例は、ホントはclosedにしたかったけど、openにせざるを得なかったという状況が、全体のレベルアップに貢献したということになったのだと感じた。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.08

  • echigonojizake

    echigonojizake

    ヨハン・ノルベリ氏の主張は人類のポジティブな面を強調する傾向があり勇気付けられる半面、斜に構えてしまう時もある。世の中の分断や、テクノロジーが歯止めが効かなくなるのではとの懸念があるなか、ホモサピエンスがどちらに向かうのか考えるきっかけになった。

    オープンかクローズかは、古代ローマの盛衰を見るだけでも示唆がある。それを複数事例挙げながら説得してくる。11/9も9/11もテレビで中継を見た世代としては、うまく描いたと感じた。

    わたしの理解では、経済はボーダレス、政治はボーダフルという性質があり、時代によってそのグラデーションが変化する。新自由主義の行き過ぎがあれば揺り戻しが起きる、といった具合に。歴史は一方向に進むのだ、という千年王国やへーゲリアンのような考えは尊重はするが与しない。それを改めて認識した。

    なお、著者はハイエクを好意的にとらえているのだが、翻訳をした山形浩生さんはハイエクがチリの独裁者ピノチェトを支持してことを指摘するなど、山形節を味わえる。これもこの本の面白さであると感じた。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.29

  • モリゾウ

    モリゾウ

    前半はOPENな社会とその効用について歴史的に振り返り、後半はそれに対する抵抗勢力やオープン性が継続しない理由についての考察となっている。
    個人的には、主にネットやSNS等で絶えない紛争について、なぜそのような分断が深刻化するのか俯瞰的に眺めた箴言に膝を打った。続きを読む

    投稿日:2023.01.09

  • HiroIwao

    HiroIwao

    昨年末に久しぶりにこれは良いと思った本を読了することができました。
    前に進めるためにはオープンであることが必要であること、その一方で新しいことに対する、本能的な反応からクローズドになる傾向があり、それに対してどのような姿勢をとるべきなのかということ、またそれらを歴史的な事象からどのように読み解くのかなど、多くの事象をもとに展開されているので説得力があると考えます。
    年が変わる今のタイミングで読んだこともあり、新しい事象にも拒否反応を示さず、オープンな姿勢を継続することで、変化にも前向きに対応するようにしたいと思った1冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.01

  • tabutaka

    tabutaka

    レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12761045325.html

    投稿日:2022.08.27

  • yukisaito

    yukisaito

    歴史上、新たな技術などの”異質なもの”に対して「オープン」な姿勢で接した国家が成功してきた反面、それらの国々がいつしか「クローズ」になり、没落していったのはなぜか。人間の進化の過程を遡ってその要因を明らかにし、現代社会に影を落としつつある「クローズ」の脅威に立ち向かう方策を提唱する啓発書。

    著者は、かつての古代ギリシャやローマ帝国から、8世紀以降のイスラム諸国、宋代の中国や近代オランダ帝国に至るまで、歴史上「帝国」と呼ばれた国々に共通する成功の根本要因は、”他所者”たちと能動的に交流する社交性や、それらがもたらす異文化や新技術などを認める寛容性と、既存の価値観に捉われずに新たなものを積極的に学び、模倣して取り入れる柔軟な精神にあったと分析する。

    しかしそれらの国々が様々な要因で政治的・経済的に行き詰まると、社会生活が「ゼロサムゲーム」であった旧石器時代以来の人間の本能が呼び覚まされ、人々は”仲間”(オレたち)と”他所者”(ヤツら)を区別して後者を敵視し排外的になるとともに、未来の不確実性を嫌う一方で過去を美化し、古い安定的な価値観に執着するようになり、最終的には国全体が衰退することになるという。

    著者は、17世紀以降のヨーロッパ啓蒙主義とイギリスの産業革命、それに続くアメリカを中心とした現代社会の繁栄が、今のところ歴史上「唯一の例外」であるが、それが今後も継続するかどうかは、「保守 vs リベラル」ではなく、「オープン vs クローズ」の対立軸を乗り越えられるかにかかっており、我々一人ひとりが本能的なクローズの誘惑を克服する必要があると説く。

    誰もが頭では理解しているオープンさの重要性、それでも時にクローズになってしまう要因を、人類の歴史や人間の本能といった観点から丁寧に紐解き、説得力のある理論を展開しており、翻訳者のあと書きも含めて、「オープン」を読者一人ひとりが自分事としてより深く考えるきっかけとなる良書。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.21

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。