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高橋源一郎 / 講談社文庫 (5件のレビュー)
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総合評価:
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(元)中3受験生
8月の終わりに学校へ行きたくない…と思っちゃった人へ。 たぶん、誰しもが思うことだと思う。たとえ、どんなに好きな場所であったとしても、ときには思うことだ。でも、ちょっと立ち止まって、なんで行きたくな…いと思うのかを考えてみてほしい。この本は、そういう正解のない問いについて考えたり、常識だと言われていることに改めて目を向けたりする大切さを教えてくれる本だ。学校に行くことが正義なのではなく、人生を生きるうえで自分にとっての「先生」を見つけることが重要だと身に沁みて感じた。続きを読む
投稿日:2023.07.10
ホクホクの里芋
感想を書かなきゃ。それも他の誰とも被らないような。 森巣博の息子の話が出てきた。彼はパーソナリティ障害を患っていて、普通の方法では学校に通えなかった。だけど彼には特別な才能があって、伸び伸びとさせて…くれる両親がいて、それから特例で大学入学を認めてくれるような制度ができて。その後の彼は名門校の教授を弱冠二十歳で務めるような人物に。完璧なハッピーエンド。 だけど僕はこの話に、すごくモヤモヤする。 「成功とは他の人の失敗を意味します」というアーシュラ・K・ル=グィンの言葉とも重なるけど、きっとそう上手くいく人ばっかりではないはず。パーソナリティ障害や、それに準ずるようなハンディキャップを抱えて、天才的な数学の才能も持ち合わせず、特別な措置もなされないような人が、大勢いるはず。少なくとも、森巣博の息子のような例は完全に例外的。 自分の好きな小説を、先生の書き置きだけが残る教室になぞらえる比喩が美しかった。いつでも訪れることができて、絶対に先生はどこかにいるはずなんだけど、顔を合わせることはない。昔から置かれているはずの様々なインテリアに、ときどき気がつく。僕にとってそんな教室はどれくらいあるだろう。たまには顔を出さないとな。続きを読む
投稿日:2022.10.28
枝乃
きのくに国際高等専修学校で行われた二日間の特別授業。問いの答えに問いで返すことにより、思考が深掘りされる。高橋さんの授業スタイルは今でこそ興味深く思えるが、10代の自分なら苦手意識を持ったかもしれない…。つい「わかりません」と答えてしまう気持ちが痛いほどわかる。それにしても、学生たちの書くセンスには目を瞠るものがあった。課題レポートというより短いテーマ小説のようで、その想像力が素晴らしかった。続きを読む
投稿日:2022.06.23
1509579番目の読書家
読まれることを前提に書かなければ文章は上達しない。 自分以外のの何かについて書いた文章が、図らずも自分の隠された一面を表現する。
投稿日:2022.05.14
dai-4
氏の文学評論は好きなんで、本書も期待通りの内容。といいながら、出される課題は大変だと思うし、軒並み順番に当てられるのも負荷が大きいし、学生時代だったら好きになれんかったかもしれん授業内容だけど、高みの…見物には問題なし。それにしても、氏も自身の子供を通わせているというこの学校、なかなかに気になる存在ですね。続きを読む
投稿日:2022.04.21
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