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玉城絵美 / 大和書房 (9件のレビュー)
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総合評価:
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Mkengar
本屋で目につき深く考えずに購入しました。私自身は文系で技術はほとんどよくわかりませんが、そのような素人でも理解できるようにBody Sharingの技術を解説してくれていて、とても勉強になりました。五…感以外の感覚(例:重量覚、抵抗覚)をいかにデジタルデータ化し他者に共有するか、ということで、文字・絵画(視覚)、レコードやラジオなどの音声(聴覚)、動画(視聴覚)といった過去の技術進歩の延長でもあります。現在は触覚や味覚などについても同様の研究が進んでいると思いますし、著者が取り組んでいるような研究は今後必然的に進むのだろうと思いました。 その意味でBody Sharingにまつわる技術動向については理解が深まった反面、著者が描く未来像、人間像、世界観については正直あまり共感できませんでした。理由の一部は、おそらく私が単に保守的だから、ということかもしれませんが、参考までに記しておきます。 そもそも違和感を持ち続けたのが、著者が描く未来像(たとえば、1人の人間が複数人の体験をBody Sharingによって並行的に行う)が本当に「すべての」人間の幸福につながるのか?という疑問です。確かにプラス面もあると思います。私が仮説として思ったのは、他の身体を経験することで、自分の身体をより愛おしく感じる、感謝の気持ちが増すことで幸福感につながるのでは、というものです。海外に長期間住むと「気づかなかったけれど日本も良いところがたくさんあるなあ」と感じることがありますが(私はそう思いました)、そのような体験を自分の身体について感じることができると思いました。 たた、Body Sharingによって多くの人がより幸福になったとしても、絶対に嫌がる人はいるはずです。嫌がる人にも「いや、Body Sharingは納豆と一緒で、あなたが嫌いだろうと心身には良いからやりなさい」と言われるような社会は恐ろしいです。Body Sharingを嫌がっている人がBody Sharingをしているときの固有感覚はどんなものかを知る必要がありますが、そもそも倫理的にそのような実験は認められないでしょう。 また最近、西垣通氏の「AI原論」を読んだことも大きく影響してか、著者が描く人間像、世界観が、シンギュラリティで有名なレイ・カーツワイル的なものに見え、その背後にあるユダヤ・キリスト教的一神論や、素朴実在論を強く感じました。本書の最後にユヴァル・ノア・ハラリを参照していることもその印象を強めました(これは単なる印象ですので、完全に私の勘違いかもしれません)。私自身はユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」を読んで強い違和感を持った読者の1人で、一神教の人はこういう思考回路になるのか、仏教などの多神宗教ではこういう思考回路にはならないな・・・と思ったのを改めて思い出しました。 繰り返しになりますが、Body Sharingという技術の最新動向やその可能性については大変興味深く読みましたが、特に本書の後半部分については、「私は」あまり共感できませんでした(もちろんこれも人によると思いますので)続きを読む
投稿日:2023.05.08
ykikuchi
まったく想像していなかった未来が見えた一冊でした。人間は、自分の体からも自由に放たれる日がもう間近に迫っているようです。Body Sharingという技術について学ぶことができる本でした。私たちは、一…人一人身体を持ち、その身体を通じて体感したことを経験として記憶していきます。この自分でしか体感できなかった経験を他人の身体を通じて、あたかも自分が経験しているが如くに体感できるような世界が遠くない未来には実現しているというのだ。他人という人間のみならず、動物の体を借りることも可能になるようだ。こういう世界が待っているのであれば、頑張って長生きしたくなります。 玉城絵美さんの今後の活躍に大注目です。続きを読む
投稿日:2023.04.25
よずり
めちゃくちゃ面白かった。 もともと大学でVRや生体反応を扱う心理学を学んでいたのもあり、この内容はとても興味深かった。今後50年の技術の進歩、生活の変化、想像しただけでわくわくとともにどこかに拒否感を…持つ自分が居て、技術の進歩に待ったをかける、THE人間らしいなぁ笑、と。 人の身体を借り、体験をする。死ぬまでにやってみたいものです。その時どんな感覚、感情になるのか。続きを読む
投稿日:2023.03.18
あおつき
生産性の次に求められるのは「体験」。 BodySharingは一人の体験をみんなで共有することを可能にするテクノロジー。 フィードバックが重要。 固有感覚(身体の深部の感覚)までをも共有し、他者その…ものになる体験は、人々の共感力を上げ、意思疎通がスムーズになる。 体験共有は新たなコミュニケーション手段。 いろいろ引用されていて話が飛ぶのでわかりにくいが、著者が体験に執着していることはよくわかった。 3〜5章の社会構造とか心身の変化については違う本を読んだ方が良さそう。そこが関心のあるところだったので、結果的にはこの本は私が求めていたものでは無かった。 私は「体験共有」にあまり魅力を感じられなかったけど、それが当たり前になった未来には寝たきりになったりしていて喜んで利用しているのかもしれない。 不老不死も長寿も求めていないのでサイバー空間で生き続けるのは勘弁だ。 健康で自由に動けるうちはたくさんデータを貯めたいから自他の多様な体験を後押しするという思考になるかも。 それが人類補完計画につながってゆく? 人文系の研究の重要性が増していきそう。 「おすすめ」されないネガティブなものの行き場も気になるが、とりあえず今はSFでも読んで現実との比較を楽しみたい。続きを読む
投稿日:2023.03.17
あき
○何かを作り出すときには、それが社会にとって需要がある形にして考えることがスタート ○破壊的イノベーションがもたらす社会的な変化をシミレーションする必要性 ○想像力を高めるため、複雑性のカオスをと触れ…ることを意識する 自分が能動的に得ている情報も自分に最適化されているものであることが多いことを意識したいと思った。カオスなものを進んで触れていく努力していきたい。続きを読む
投稿日:2022.08.21
University of the Ryukyus Library
【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC13625713
投稿日:2022.07.12
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