【感想】みんな政治でバカになる

綿野恵太 / 晶文社
(6件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • yuki4

    yuki4

    2024年2月25日朝日新聞に載った
    「陰る「自己責任論」、希望と危惧」
    という記事が興味深かった。
    ラディカルだ。
    この時初めて綿野恵太という名前を知った。

    投稿日:2024.03.23

  • ucym100

    ucym100

    p2 二重過程理論 人間の脳内には直感システムと推論システムという異なる認知システムがあるという説である
    直感システムは、経験や習慣に基づいて直感的な判断を下さす。非言語的・自動的・無意識的であるため、素早く判断できる。しかし、間違いも多い。その間違いには一定パターン(認知バイアスがある

    推論システムは言語的・意識的な推論をおこなう。直感室テムに比べて間違いは少ないが、時間や労力を必要とする。ざっくりいうと、直感システムと推論システムは感情と理性と言い換えられるかもしれない

    p037 当事者研究 これまで治療や研究の対象とされてきた当事者が、同じ悩みや苦しみを持つ人たちとともに、自らの症状や傷害について研究を行うものだ。ソーシャルワーカの向谷地生良らが設立した、浦賀べてるの家で2001年に始まった。

    p066 熟慮の悪魔という認知バイアス じっくり思案して出した決断ほど考えが一貫せず、またモラルに欠ける傾向

    p073 集団分極化 同じ考えを持つものが議論すると、極端な考えの方に先鋭化する現象

    p073 私達には自分の考えを裏付ける情報を信用し、自分の信念に反証する情報を無視する傾向がある(確証バイアス)。また、自分の信念に反する情報に出会うと、自分の考えにさらに固執する傾向がある(バックファイア効果)。エビデンスではなく、部族の信念に一致するかどうか、という観点から、情報を判断してしまう(アイデンティティ保護的認知

    p081 私達は「人間本性」によるバカ(認知バイアス)と「環境」によるバカ(政治的無知)という「バカの二条」というべき状態にある

    p120 バークによれば、人間とは無知で誤りやすものである。伝統はさまざまな試行錯誤の上に生まれ、長い年月をかけて先人の良識が蓄積されている。各人が自分だけで私的に蓄えた理性は僅少でしかなく、むしろ伝統や慣習といった共通の偏見に隠された潜在的智恵を発見するべきだ。偏見の上衣投げ捨てて裸の理性の他はなにも残らなくするよりは、理性織り込み済みの偏見を継続させるほうが遥かに賢明である

    p127 古代ギリシャのアテナイでは抽選で選ばれた市民がポリスの要職についたが、専門性の高い財政や軍事の役職は選挙制で選ばれたという。選挙制は能力が高い人物や信望を集める人物が選ばれやすく、エリート主義的で貴族主義的なのである

    p171 ターリシャーロット 数字や統計は真実を明らかにする上で必要な素晴らしい道具だが、人の信念を変えるには不十分だし、行動を促す力はほぼ皆無である
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    投稿日:2023.07.23

  • いぬ

    いぬ

    とても面白い。
    認知のバイアスも克服して、市民にならなければならないと思っていだけれども、それは時代遅れだったことを知らなかった。
    でも、どうすればいいのかはわからない。ディストピアな印象が残った。

    投稿日:2022.05.02

  • sshige

    sshige

    耳慣れない言葉が多くて、不勉強な大衆の一人としては読むのがしんどかった。流し読みになってしまった。うすらぼんやりした理解だが、ネットが部族を増長させたとかバイアスの話はなんとなくわかる。最後に出て来る「ドヂ」の話はよくわからないが、あとがきでダメ連の話が出てきて、そこはわかりやすかった。

    Twitterはしょっちゅう見てしまう方だが、いつも何かが炎上したり叩きあったりして大変だ。このケンカのエネルギーを他に活かせないのかと思う。黎明期からネットに親しんでいた身としては、こんな事態になるとは想像していなかった。140文字しか書き込めないSNSがこんな影響力を持つようになることも。

    「理性に基づいた対話を行う『市民的公共性』」という言葉からは哲学カフェを連想した。しかしそういう対話の場に参加しても、結局そこに集う人達は部族だ。少なくとも私はそこでリベラル寄りの人しか見たことがない。保守やネット右翼的な人達はまた別のところで集っているのだろう。

    とりあえず、ニュースを見て感情に任せて、この本で言う「直観システム」に任せて脊髄反射でTwitterへ書き込むのは全人類が辞めた方がいいと思う。この本に具体的な処方は書いてないが、一度書き込んだ1分後に投稿が消える仕組みにしたらいいと思う。一旦書き込むことで「直観システム」は開放できるし、自分の書いた文章を見直すと「推論システム」が少しは作動すると思う。それでも書きたれば再び書けばいい。ああ、でもそれこそ「アルゴリズム的公共性」なのか。先日読んだ「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」の、あらゆる建築やシステムの構造が人の行動や言動を誘導操作している事と話が繋がる。
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    投稿日:2022.04.25

  • kofsan

    kofsan

    通読したが、頭に残らない。
    表紙に書いてあること以上のことは書いてないのではないか、とさえ思われる。

    投稿日:2022.02.07

  • yonosuke2021

    yonosuke2021

    「「仁義なき戦い」シリーズでは、主人公の広能昌三は「功利主義」(現実主義)と「道徳感情」(仁義)のあいだで葛藤し、その結果「功利主義」的な判断を冷徹にくだす山守義雄や寺田明に敗北する。」p.86
    前のページで児玉聡先生を引用しているのに派手だな……こんな派手なのはひさしぶりに見た。

    まあそういうのは置いといて、道徳心理学みたいなのずいぶん一般的になったねえ。
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    投稿日:2021.11.29

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