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高橋源一郎 / 河出新書 (9件のレビュー)
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高橋源一郎先生の本は、いつも知性と節度で満ちている。 一人称代名詞を、「ぼく」から「おれ」に替えて書かれたものも、一見荒々しく想いをぶつけているように見せているけれど、それでも、そこには節度がある。そ…の節度に、僕は大人の知性を、僕よりも長く生き長く考えてきた人の信頼を見る。 最もグッときたのは【メメント・モリ】。 幼い子供たちの、「ままのおなかにもどりたいな」「しにたくないから?」という衝撃的な会話から始まり、『生きている者には死にゆく者にかけることばなどなくていいのだ』、『ひとりで「死」に向かう者を、癒してくれるのは、彼の懐かしい「死者」たちなのだ』に至る、深い深い話。 身近な人を亡くしたことがあるとか、亡くそうとしている人には、必ず感じるものがあると思う。 【メイキングオブ『「悪」と戦う』第8夜】 ・私たちは、自分のことしか知らない。 ・なのに、小説は、作者自身ではない他の「ぼく」について書こうとする。 ・それは、小説が、正しくあることよりも、他の「ぼく」と繋がることを最大の使命としているからだ。 【帯に記載のあった本文抜粋】 「かつて、ツイッターは、中世のアジール(聖域)のように、特別な場所、自由な雰囲気が感じられる場所であるように思えた。共同体の規則から離れて、人びとが自由に呼吸できる空間だと思えた。だが、いつの間にか、そこには、現実の社会がそのまま持ちこまれて、とりわけ、現実の社会が抱えている否定的な成分がたっぷりと注ぎこまれるような場所になっていた。(中略)「ことば」は人を殺すことができる。だが、そんな「ことば」と戦うことができるのは、やはり「ことば」だけなのだ。」(本文より抜粋)続きを読む
投稿日:2024.04.10
たこすけ
「メメント・モリ」が良かった。ここ数年抱え続けていた罪悪感が緩和されたような気がした。児童ポルノについては首肯できず。被写体になった子どもにとっては闇でしかないから。午前0時の小説ラジオはいくつか『「…あの日」からぼくが考えている「正しさ」について』と被っていたのが残念。再録したものこそ大切な文章とも言えるのだけど。帯の「緊急出版」の文字にコロナ下で書かれた文章を期待してしまったというのが正直なところ。続きを読む
投稿日:2023.01.08
longirostris
振り返ってみると、自分がTwitter を始めたのが2010年1月。ブログやmixiやFacebookにウンザリしていた自分にとって、しがらみも無く、自分の興味の対象である作家やミュージシャンの生の(…と当時は思ってた)言葉をキャッチできるTwitter に一番興奮していた。本書に収録されている「午前0時の小説ラジオ」が始まったのが、2010年5月。それから10年以上経ってSNSは大きく様変わりしたけど、Twitter で出会った最良のもの(の一部)がここに再録されている。当時リアルタイムで読んだ感覚が少しだけ蘇ってきた。本当に貴重なものだと思う。 この『メイキングオブ「悪」と戦う』以来、作家高橋源一郎にすごく傾倒している。子どもの頃は競馬解説者だとばかり思ってたんだけどな 笑続きを読む
投稿日:2022.12.05
hwendyyy
「限りなく、弱々しいかもしれないが、わたしは「自分の考え」で判断したかったのだ。仮に、その判断が間違っていたとしても。」 「(批判は、愛の成就のような繊細さを持って、行うべし」
投稿日:2022.08.24
シマクマ君
「戦後」という歴史的時間が終わることが、たとえば柄谷行人や加藤典洋によって語られていたのは1990年代の終わりだったでしょうか。 戦後が終わった後に来るのは、どうも「戦前」ではないかという嫌な予感…がありましたが、今や文字通り戦前的な社会が現前しつつある空気感ですが、おそらく、そんな空気にを膨張させる「ことば」による全体主義化に警鐘を鳴らしているところが高橋源一郎の真骨頂というべきでしょうか。 いつものことともいえるのですが、最先端の『ことば』世界を指し示す高橋の手つきがぼくは好きです。 ブログにも書きました。覗いていただければ嬉しいです。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202108310000/続きを読む
投稿日:2021.12.03
hifumi1232001jp
順番に読み進めて、なるほどと思っていた箇所がたくさんあったはずなのに、後半のA・Tさんへの私信を読んだら、これまで読んだ内容が一気に吹っ飛んでしまったほど、良いメッセージでした。読んでほしい人、理解し…てもらえるであろう人に作品を送りつけるのではなく、見つけてもらえるよう書き続けることが大事で、源一郎さんですら、作品を書き終えれば、ゼロに戻る、無名の新人と同じと書いてありました。誰かに読んでもらえるまで孤独な作業ではなく、書いている自分自身には報酬があると思えるか。こんな風に穂村弘さんが高橋源一郎さんに発見されたストーリーを読んだばかりだったので、ぐっとくる内容でした。続きを読む
投稿日:2021.09.11
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