【感想】図書室の怪談 死者の本

緑川聖司, 浮雲宇一 / ポプラキミノベル
(1件のレビュー)

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    このレビューはネタバレを含みます

    従兄弟を事故で失い、失意に沈む楓。突然の別れを受け入れきれず、悲しみの日々を過ごしていた。その日も宛もなく校内を歩いていた楓は図書室で死者を呼び出すおまじないを見つけ、実行しようと試みる。それが全ての始まりだった。

    ***

    前回の巻から舞台と主人公を変えた図書室の怪談シリーズ第二段。
    従兄の克己をひき逃げ事故という最悪の形で失った楓はいまだにそのショックから立ち直れず、鬱々とした日々を過ごしていた。
    その日も何とか授業をこなしたものの、何をする気にもなれず、あてもなく図書室をぶらついていた。ふと、一番奥の本棚の前に水色のファイルが落ちていた。中には、昔作成された学級新聞がファイリングされており、何となく興味をひかれた楓がページをめくると、とある記事で目が止まる。楓の通う学校にある七不思議の特集。その中に、死者を呼び出せるという七不思議があった。克己にもう一度会いたい一心の楓は、この記事に書いてある七不思議を実行しようと試みたのだが。

    作中で楓が手にした読んではいけないとされる本に書かれている怪談話を読みながら、身の回りに起こる様々な怪異を追体験していく。
    本の中に書かれている怪談は、いい話になりそうな雰囲気にして一度安心させておいて再度落とす話が多かった。
    そこで追い打ちするんかい!という感じ。


    そして、怪談本に書かれている怪談話もさることながら、楓が読む話と現実の出来事が徐々にリンクする演出はいつもヒヤッとさせられる。流石。

    前作は周りの人間に危害が加わるタイプだったが、今回は楓を直に蝕んでいっており、恐ろしい。
    楓も体調の異変が本のせいだと気が付いているのだが、やめようとしないのはそれだけ従兄に会いたいのか、それとも何かに操られているのか……。

    操られているといえば、度々楓の前に現れる「綾目」という女子生徒がかなり怪しい。怪しいというかもろに黒幕だろう。前作も怪しさ満載で楓の周りに都合よく出没していたし。

    黒幕の綾目に踊らされ、惑わされる形で従兄の克己の復活を試みる楓。しかし、すんでのところで復活の儀式は妨害され、事なきを得たが、企みごとを常に胸に秘め、前作同様暗躍する綾目の詳細は分からずじまい。
    何が目的で、主人公たちに読んではいけない本を読ませ、暗躍するのか。その目的はまだわからないが、シリーズを追うごとに分かっていくはずなので、楽しみである。

    また、楓を助ける役割として登場した久我の正体も分からずじまい。
    綾目と対の存在のようだが、彼の存在もかなり意味深で気になる存在である。

    こちらもシリーズを追うごとに、彼の正体が知れるといいなぁ。

    今のところ、既刊はあと1冊。おそらくあと1冊ではすべての謎は解明されないだろうと思うので、先は長そうで、今から楽しみ。

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    投稿日:2022.05.22

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