【感想】顧問先が融資を受けやすくなる! 税理士が知っておきたい 中小企業の財務改善ノウハウ

松波竜太, 資金調達相談士協会 / 第一法規
(3件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • Tsumoha

    Tsumoha

    税理士事務所向けに資金調達のノウハウが書かれた書籍。著者は松波税理士で、「借入は減らすな!」(あさ出版)を読んで興味を持ったので、本書を通読。銀行融資の際の交渉方法、銀行員が見るポイントが詳細に書かれており、参考になった。中小企業を顧問に持つ税理士、中小企業診断士などにはお勧めの書籍だ。
    P31
    また、できれば使用する勘定科目も限定することが望ましいといえます。 例えば、売上の前受けが滅多に発生しない場合、 前受金を売上に振替忘れてしまうというようなミスが生じてしまうことがあります。 会計ルールではNGですが、日常的に使用している売掛金のマイナス残高として処理することで、 前受金の振替忘れを防止することができます。あるいは、「仮」の支払いを仮払金、「仮」 の入金を仮受金として処理す ることも多いと思いますが、どうせ仮なのであれば、「入金・出金にかかわらず仮払金で処理する」というルールにしてしまえば、管理する科目を減らすことができます。管理しなければならない項目が増えれば増えるほどミスにつながります。人間が行うことですから、ミスを前提に考えるべきです。
    P59
    ■ 確保すべき利益の大きさは?
    それでは、費用を先取りした結果として、どれくらい利益を確保したらよいでしょうか?私たち資産調達相談士協会では 「借入総額の1%程度の法人税を支払うくらいが丁度よい。つまり、3%程度の経常利益を確保しましょう」とアドバイスしています。 つまり、 法人税を金融費用の一つと考えるわけです。 例えば、 借入総額が1億円であれば100万円程度法人税を支払う。 法人税率を30%とすれば、約 300万円程度の経常利益を計上することをお勧めしています。
    これ以上利益が出そうであれば先送りを考えるということを一つの目安と考えています。
    P175
    ② 本店所在地
    まず、名義だけ貸してくれるレンタルオフィスは設立時の本店所在地としては不適切です。
    融資以前にマネーロンダリング(資金洗浄) 対策の関係で審査が厳しくなっており、銀行口座の開設すら難しくなります。 どうしてもレンタルオフィスを本店所在としたいのであれば、 一度自宅を本店として設立し、 銀行口座開設後にあらためて、希望の地域に移動することをお勧めします。
    P182
    ■ 保証協会付融資が成長を止める
    信用保証協会を一度利用すると、一定の枠までは保証を受けることができるため、長期融資の折り返しなどの申込みにも比較的簡単に応じてもらうことができます。
    このように大変便利な制度ですが、便利すぎるためにかえって会社の成長を止めることにもなりかねません。
    というのも、金融機関にとっても便利であるため、 保証協会付融資には応じてくれるものの、それ以外のプロパー融資には消極的となり話を聞いてくれないといった弊害が時折見受けられるからです。
    また、信用保証協会は一部の地域を除いて各都道府県に一つずつしかありません。
    したがって、同一都道府県内の金融機関が信用保証協会を使う場合には、全ての金融機関が同じ信用保証協会に打診することになります。
    信用保証協会からNOを突きつけられた状況で、金融機関がプロパー融資を検討するということはありません。つまり、信用保証協会の判断が金融機関の判断ということになってしまうわけです。
    そうなると、銀行からではなく、信用保証協会から借りているということになり、たった一つの金融機関から借りている、つまり、実質的に一行取引ということになるのです。
    しかし、こちらから金融機関に対して 「信用保証協会の保証を外す」 よう依頼するとともに、そうなるように仕向けなければ、金融機関の方から進んでプロパー融資を勧めてくれることはありません。
    自ら保証の権利放棄をすることに他ならないからです。
    これまでにお伝えしたテクニックを総動員して、プロパー融資に移行せざるを得ない状況を作り出し、保証協会付融資から、プロパー融資への移行を目指していかねばなりません。
    感覚的には、手元資金が月商2か月以上、自己資本比率 20% 以上、 借入総額が2,000万円以上となると、プロパー融資を引き受ける銀行が出てくるはずです。
    折り返し融資のタイミングで交渉してみましょう。
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    投稿日:2022.08.21

  • めがね

    めがね

    税理士、経営者の銀行との付き合い方を、具体的な事例や理由を挙げで説明する書籍。手持ちのキャッシュを熱く持つことを大前提とし、どのような対応をすれば、銀行から有利な条件で融資を引き出せるかを解説。半沢直樹の世界では銀行は冷たく移るが、裏側を見れば納得することがたくさんあった。続きを読む

    投稿日:2021.01.31

  • 伊沢隆裕@ふたり税理士

    伊沢隆裕@ふたり税理士

    著者、松波さんの書籍を拝読するのは本書籍で3冊目。
    今回も期待を裏切らない内容で大満足。

    タイトルに"税理士が知っておきたい"とあるものの、
    敷居が高い専門書といったものではなく、読みやすい文章表現で、
    税理士のみならず、"中小企業経営者も知っておきたい"内容となっています。

    また、資金調達に関する実務的な例示が収録されているため、
    本書籍で得た知識は即戦力として明日の実務で活用できます。

    このレビュー時点では、本書籍の電子版は販売されていないようです。
    いずれ電子版も販売されることを期待します。
    電子版発売の際は、本書籍をタブレットに入れて常に持ち歩きたいと思ってます。
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    投稿日:2020.01.25

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