【感想】少年は世界をのみこむ

トレント・ダルトン, 池田真紀子 / ハーパーコリンズ・ジャパン
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
5
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3
1
0

ブクログレビュー

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  • となりのひと

    となりのひと

    人に流されず考えて考えて生きる。
    あなたは善良な人か。どんな状況でも善良でいることの難しさ。
    でもそれがもたらす周りへの影響。
    勇敢に挑むイーライが素敵でした。

    投稿日:2023.12.24

  • 黒アサ

    黒アサ

    少年イーライとそれを取り囲む人達とのヒューマン物語。
    事実に基づいた話だけに、キャラクターの個性とさり気無い言葉に人間性をとても感じる。
    少年イーライは周りの噂や言葉に惑わされることなく、自分が接している人達を信じ突き進む。
    たとえ過酷な経験だろうと、立ち止まらない性格は危なかしくもあり、破天荒であり、犯罪と薬物が蔓延る街に彼なりの色彩を作り出す。
    師の言葉のディテールを追い求め、少年の新聞記者の夢を志す姿はたくましい。
    希望を信じれば、悪い状況からでも立て直せると、少し勇気を貰える文学的作品。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.31

  • kemukemu

    kemukemu

    「少年は世界をのみこむ Boy Swallows Universe」
    日本語訳で600ページ近くあるにもかかわらず、三語で表された各章はスムーズでリズムがある。しかも描写は細かく比喩も豊かで、流して読むには少々もったいないほど。

    物語は12歳の男の子イーライの目線で描かれる。
    犯罪の匂いのする親を持つ主人公が次々と襲い掛かる境遇に対し、必死に抗いながら成長していく。
    日本の小説にある普通の少年期の成長物語に比べ、とてつもないスケールの展開であるところにオーストラリアを感じる。

    登場人物の中では、主人公イーライはもちろん、ある事故から言葉を話さなくなったのち、空に指で文字を書く不思議な兄オーガストの存在が物語を神秘的に彩る。
    そして、伝説の脱獄王スリム(二人のベビーシッター)、この人がとてもいい。
    「ディテールだ、ディテールを頭の中に叩き込め」
    「時間は操ることができる」
    「時間を殺れ、殺られる前に」

    ミステリー形式ではあるが、すべてを明らかにしようとするのではなく、少年期から青年期への成長とともに“いつのまにか失くしていくもの”など、柔らかく包み込むようにして描写している。

    スティーヴン・キングの少年物とはまた一味違った面白さがここにある。
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    投稿日:2022.03.29

  • ナズ

    ナズ

    このレビューはネタバレを含みます

    海外作品を訳されたものを読み慣れてない(私みたいな人)だと、海外ならでは?の風景描写や言い回しとかが上手く飲み込めなくて読むのすっごい時間かかると思う。
    でも訳された文章は本当に至高!わかんないけど、多分原文の良さがまんまか、それ以上に加わって高められたものになってると思った!原文の良さをひとつも損なってないよ、多分、勝手な推測と体感だけど。でもそれくらい、素敵な言い回しが多くてもうあげきれないほど。
    内容は、日本では非現実的な綱渡りみたいな生活が終始描かれてる感じかなぁ。でもその実、人との出会いも別れも、ままならない現実も、全部自分の身近にもあるようなものにも思えたけど。
    ご都合展開と呼ばれるものだけど、そこまで行き着くのに長かったぶんくさくはなかった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.03.22

  • kazha

    kazha

    CL 2022.1.18-2022.1.22
    色彩とディテール
    善良な人間

    作者の実体験に基づいた作品だというのが驚き。

    あと、本のタイトルも「少年、世界をのみこむ」でよかったんじゃない?

    投稿日:2022.01.21

  • みかん司書

    みかん司書

    たくさんの賞を受賞し、
    たくさんの国で翻訳され読まれている本。
    とても波乱にとんだ内容だった。
    イーライは、おしゃべりで、
    お話を作るのが得意で、ちょっと泣き虫。
    オーガストは、ひと言も話さない。空中に指で書く文字は、予言めいたものもあれば、意味不明な文字列のこともあるが、賢い兄で頼れるアドバイザー。
    母の恋人ライルは、父親も同然。
    麻薬密売組織に連れ去られ、なぜ消えてしまったのか?真実を探しに行く。
    ベビーシッターで、年齢差60歳の親友スリムからたくさんのことを学ぶ。
    みんなでハグ!
    愛情や信頼を感じる家族。
    けれど、世間から見たら悪人と呼ばれるのかもしれない。
    本書の半分は著者が実際に体験したことだという。
    そして、イーライの切り取られた人差し指のことは驚いたが、著者の右手の指はちゃんとそろっていると訳者あとがきにあり、ホッとする。
    12~19才までの少年イーライの成長と家族の物語。
    続きを読む

    投稿日:2021.11.22

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