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藤原無雨 / 河出書房新社 (7件のレビュー)
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総合評価:
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kurumex
ファンタジーに見せかけて地続きの現代です。 試みは面白いかもしれないけど、伝えたいメッセージがあるんだったら安易な逃げ道を作る必要がないだろう。 結局何も読み取れなかった、設定が無理筋なので読んで…る最中はツッコミが止まらなかった。とにかく世界観の細部が甘く気が削がれるのでシンプルに面白くなかった。割と時間の無駄かと。続きを読む
投稿日:2022.10.16
Yoshiee
ストーリーは複雑ではないものの、同じ出来事が違う視点で何度も繰り返される展開が複雑で作者の意図を十分に理解出来なかった。日本と何か他の国(砂漠のある国)とを繋ぐ出発点も意図が理解できないままだった。
投稿日:2022.07.24
たまぞう
このレビューはネタバレを含みます
東京で失敗して故郷の町に戻ってきたクザーノがらくだのカサンドルとともに砂漠へと旅立ったのは、「東京から運んできた悲しい水分を全部蒸発させる」ためだった。やがてたどり着いた町で新たな暮らしを始めるクザーノを中心に、ホヨー、ラモン、クザーノ、コイーバ、ロメオ(すべて葉巻の銘柄)の5代にわたる父と子の系譜。日本であり日本でないふしぎな世界で彼らが生き見た景色が、差異と反復の語りによって何度も塗りなおされていく。マジックリアリズムのゲーム的な焼き直しのようにも読めて評価が割れそうだけど、個人的には楽しく読めた。 【メモ】 ・読み始めてしばらく、クザーノはニコラウス・クザーヌスにちなんでいるのかなと想像していた。 ・変幻自在なキャラとしてくり返し登場しなおす甲一の存在がおもしろい。クザーノ(たち)を旅へと駆り立てる甲一のあり様は、人間を善へと導く神話的な人物のようにも思える。 ・簡潔で歯切れのよい短文のつらなりにヘミングウェイっぽさを感じていたら、まさに『老人と海』への言及があった。サンチャゴの度胸とはまた別の、ホヨーによって生きられた男らしさの物語。 ・町の人々とちがって、外から来た人間は「やろうと思えば、何ものも捨てられる人間」という指摘にハッとした。 ・「人と人を繫ぐのは旅」という台詞に、ティム・インゴルドの『ラインズ』をふと思い出した。『ラインズ』また読みたいな。
投稿日:2021.07.10
kuu
不思議な本。ファンタジーか。夢か。何度も同じようなシュチュエーションの舞台を観にいっているのか。少しずつ認識にずれがあって、語り部により違うところから話を聞いているかのような。繰り返される砂漠を旅する…男。何がどうなるのか。謎を知りたくて読み進めてラビリンスじゃないか?と疑ったりする。人は風景の共有だけじゃなく魂も共有するのだと語る。なかなか嫌いじゃない時間だった。続きを読む
投稿日:2021.05.19
ハンナ
まるで、繰り返されながら拡大するゾエトロープが如く、アンダンテのリズムで振られていたはずのメトロノームがやがて振れ幅を拡大していく。 その速度を落とすことなく、未来に過去に振り動く。振り動かされながら…、歩かされて行く。 初めて『水と礫』を読んだ感想はそうだった。 これは礫砂漠のごとく様々な技巧と躓きを散りばめられたページを、彼らの歩みと共にめくって行く。 この一冊丸ごとがそのまま「旅」。 物語を追う旅ではなく、存在を追う「旅」だ。 そのラストに緩やかに込み上げてくる感情の揺れは、心地よく味わうことができた。 しかし流石「文藝賞」作品。 もしあなたが、彼らと共に一筋縄ではいかない「旅」を体験したいならお勧めする一冊。続きを読む
投稿日:2021.05.05
小さな図書室
人物の名前が多国籍で面白い らせんを描く物語となってる、そして結末は「やはりこうなるんだ」と思った さらさらのガルシアマルケス風味
投稿日:2021.04.09
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