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中山康樹 / 講談社文庫 (3件のレビュー)
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乱読ぴょん
ひとつ前の「ビッグイシュー」で、岡崎武志さんが連載「ひぐらし本暮らし」のなかで、この本をとりあげていた。図書館におなじ文庫本があったので、借りてみた。これは「人生の転機にはいつも一枚のレコードとかけが…えのない友人がいた」と綴る中山さんの、サブタイトルどおり「ジャズとロックの青春の日々」を書いた本。 私は、子どもの頃から「なにかつくること」や「絵を描くこと」がスキで、小学校では図工がスキで(理科の実験や家庭科もスキだった)、中学でも美術や技術がスキで、高校の"芸術"選択では3年とも迷うことなく「美術」を選び、ドクターストップで水泳部をやめなければならなかったあとには、美術部に入っていたこともある。 だから、「音楽」よりは「美術」で、美術方面がどうのこうのとおもしろがれるほどには、「音楽」には詳しくない。はっきりいって疎い。 この中山さんの本のなかでも、ワカラン人名、ワカラン曲名はいくらでもあって、それがわかればこの青春記はさらにさらにおもしろくなるのかもしれないが、わからなくても、この若い頃の話はえらいおもしろかった。 たとえば、あるグループの単独アルバムではなく、ヒット曲を集めたオムニバス盤のほうを買うココロ。 ▼つまりは、すでにシングル盤としてもっている曲が入っているLPより、まだもっていない曲、しかも何組ものグループが1枚に入ってるLPのほうが、〈トクや〉と考える性格だった。(p.44) この何が〈トクや〉と思うかというところは、買うときに性格が出るんやなと思う。私も本でいえば、いまだに文庫になって出たやつのほうが〈トクや〉と思うことが多い。たいていは、書きおろしの1章だったり、誰かの解説であったり、文庫になることで何らかのボーナスがついてる。サイズも小さくなって、うちに置いとくにも場所がちょっとですむ。 中山さんは、同人誌づくりを経て、自身がずっと買って読んでいた『スイングジャーナル』誌の編集部に入ることになる。雑誌を読むいちファンの立場から、送り手側にまわったときに、得るものと失うものについて書いてあるところは、雑誌の規模は全然ちがうけれども『We』誌のただの読者から、編集部に入ったあとの自分とちょっと重ねて感じるところがあった。 関西弁ばりばりの青春記、「音楽」のことには疎くても、めっちゃおもしろかった。 (10/13了)続きを読む
投稿日:2011.10.15
フラビオ
2009年6月27日読了。ジャズ評論家、中山康樹が語る表題どおりの日々・・・。この人にもっと文章力があって、面白いエピソードがたくさんあれば大槻ケンヂの小説が出来上がるのだろうけれど、いささか自意識過…剰が鼻につきすぎるのは残念。「ペットサウンズが、わかった」なんて10代の若造が言うなよ!と思うが、それくらいの傍若無人さ・確信がなければ音楽の評論家なんてものにはなれないのかもしれない・・・また、若造にそう思い込ませるところが、ロックというものが持つ魔法なんだと思うが。続きを読む
投稿日:2009.06.29
take9296
以前の勤務先が「スイング・ジャーナル社」の近所にあったので、初めて前を通ったときは「ここか・・・」と感動しました。好きだった音楽を仕事にすることができた幸運な著者が若き日々をふりかえってつづる自伝。
投稿日:2007.04.08
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