【感想】イスラームの論理と倫理

中田考, 飯山陽 / 晶文社
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • kiwi

    kiwi

    「エジプトの空の下」(飯山陽)を読んで、イスラムっていったいどうなっているんだろうと思い、読んでみる気になった。
    著者は二人ともイスラムの研究者だが、中田考は男性でイスラム教徒、飯山陽は女性で非イスラム教徒。異なる立場から二人が紙上で議論を戦わせるのかと思ったらそうではなかった。テーマをいくつか選び(イスラム国とか、アフガンでの中村哲氏殺害事件とか)二人がそれぞれの考えを書くという構成で、しかも二人の主張?はかけ離れている。共著にした理由がいまいちわからない。あるいは前文で飯山陽がいうように、「異質な他者が共存するためには、適切な距離を保ち、できるだけ衝突を避けるべく行動すること」を本書の中で実践しているということなんだろうか?

    飯山陽のパートはわかりやすく、参考になったが、中田考のパートは何が言いたいのかいまいちわからない。それにこの人、「一般的な」イスラム教徒なんだろうか? 判断する材料を持たないけれど、相当過激派なのでは? いずれにしても、中田考が考えているらしい政治体制の下で暮らすのはゴメンだ。
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    投稿日:2023.03.16

  • kun92

    kun92

    面白え。

    中田先生っちゅうのは、イスラム研究の第一人者としての地位にある方らしい。

    こいつ、気持ち悪い。

    この本は、同じテーマについて、飯山先生と中田先生がそれぞれ論ずる形を取っている。まあ、本の半分が飯山先生で、半分が中田先生なのだが、この中田部分が気色悪い。
    全くの論点ずらし、訳のわからんグダグダな語りで何言ってるかわからん上に、我こそ絶対正義、立場の違う奴は愚民と言い切ってしまう。
    飯山先生の論が、ことの正否はともかくスッキリ判りやすいのと全く色を分ける。にで、飯山先生の方が、真っ当だと考えるわけだ。

    世に、イスラムこそが現代社会を越える、優しい、理論だと考える奴が多い(?)のだけど、これ読んでからの方が良いと思う。
    ぶっちゃけ、飯山パートはしっかり読んだが、中田パートは、落書きだと思っていいわ。
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    投稿日:2022.04.02

  • サマ

    サマ

    このレビューはネタバレを含みます

    イスラーム研究者界隈有名人のお二人の往復書簡。何年もずっとフォローしているが、もともとTwitterでもお互い名前を出したり出さなかったりしつつバチバチやりあっていて、最近はアフガニスタンのタリバン政権の絡みで全く正反対の主張をツイート・リツイートしあっている。はたして往復書簡なんて成り立つのか?という感じだったけど、やっぱり早々に往復形式は放棄されて同じテーマで書く方式になっていた(笑)。その違いの大きさは鮮烈と言っていいレベルだ。
    ハサン中田先生はカリフ制再興のためのポジショントーク的な面をスルーすれば…とはいってもイスラム国はテロをやってない!とかあまりにひどい詭弁も多いのだが、やはり中東の歴史・情勢の分析は素晴らしく勉強になる。飯山さんのわかりやすくデータに基づいた話も面白い。高度な話になって内容について行けなかったらどうしようと思ったがそんなこともなく、楽しく読めた。

    これは完全に余談だけど飯山さんの言う通りイスラーム界隈はイスラム擁護派が圧倒的で(自らの研究の意義を証明する必要があるからそうなるのもしょうがないのだが)自分の極端なリベラル的主張を織り込む人も多すぎる。中田先生は今回の話でも主張をのぞかせていたけどコロナ以降しょっちゅう反ワクチンRTしているし、Twitterは苦痛に感じてフォローできる人が少なすぎる。
    近年は反イスラム擁護派の池内先生や飯山さんもアンチとやりあって急激におかしくなってしまったし、Twitterは人を暗黒面に落とす何かがあるのだろうかと思わずにはいられない。
    今回そういった雑音なしに書籍で落ち着いてお二人の話を読むことができてなんだかほっとしてしまった。また書いてほしい。

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    投稿日:2021.11.26

  • kenzy

    kenzy

     お二人の往復書簡を拝読して、他者を理解し意思疎通するのは、大変難しいことなのだと、あらためて痛感しました。
     それはまさに、個人のレベルも含め、イスラームそして異文化一般への相互理解にも通底するものだと思いに至りました。
     
     そして、研究対象として資料による客観的研究のみでは誤謬を招きかねないこと、その一方で、対象にずっぷりと入ってしまうことにより理解促進を妨げる要因にもなり得ることを再認識しました。
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    投稿日:2021.10.01

  • 晴川雨読

    晴川雨読

    活動家と研究者の往復書簡本です。
    対立するそれぞれの意見が一つの本の中にあるというのは、中々面白いですね。
    ただ一つを除き二人の意見が一致しないのが笑えます。

    https://seisenudoku.seesaa.net/article/480806265.html続きを読む

    投稿日:2021.04.17

  • az-ak

    az-ak

    話が通じないというのはどういうことか、というケーススタディ。

    おそらく飯山さんの論の進め方の方が一般的な感覚では受け入れられやすいのであろうが、中田さんの論にも不思議な魅力と一貫性が感じられる(決して賛同しているわけではないが)。
    わたしの読書経験から似たような感覚を引っ張り出すとするなら、G.K.チェスタトンの『正統とは何か』のような。
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    投稿日:2020.12.29

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