【感想】あるようなないような

川上弘美 / 中公文庫
(48件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • ナホ

    ナホ

    ほんわかしてゆるい。でも、確実に川上さんの物事に対する見方が表れていて、それがとても好き。
    物腰柔らかに見えるけれど、譲れないことがあって、大切にしたいことがちゃんとある。素敵だと思った。

    投稿日:2021.02.19

  • kazekaoru21

    kazekaoru21

    タイトルのようにふわりとしてそれでいて濃い、印象的なエッセイでした。まるで、そこにあるかのように目の前に情景がうかびました。
    例えば、地下鉄の広尾の駅を上がったところに見える「逃げ森」のお話とか。本当に目の前に緑の木々が広がり、都会の空気を感じることができました。
    そして、11月になると散歩に行きたくなるお話。井の頭公園での場面。小学生の鼓笛隊のお話。鉄腕アトムを演奏する楽器の音が聞こえてきそう。あったな自分もそういう、目にしたけど語らないこと。なんてことない日常なのだけど。その風景は見る人によって、希望に満ちてはつらつしたものにも、もの悲しくも、ざわざわにも映る。どのようにもとれるありのままの描写に心はまりました。

    いきなり「ぶはっ!」と笑えることろも沢山あった。
    これはきっと笑わせようとされているのでなく、笑えてしまうのだ。

    「魚の顔」「不明」「小説を書きはじめたころ」、このあたり、とても興味深く読めました。
    「活字のよろこび」では著者の本、活字への強い思いが伝わってきました。

    いちばんは「元気ない回路」に入りこんだときについて書かれている、読書日録。
    この回路には、自分きらい、人きらい、もの考えない、もの考えすぎやらの路があって、入り込むとなかなか出られない。私も思い当たる。
    そういう時、人と会う、お酒などのむ、なんていう方法もあるがそれがままならないとき、「本を読む」。
    私も(私も、というか私はというか)、現実逃避したいとき(というか、頭の一部分で自分だけの楽しみや世界を持ちたいとき)本を読むということをする(前はそう読まなかったし現実逃避と思う所もそうなかったが)。
    読んで癒すって、これはさみしいことか。と思ったりもした。
    が、著者は、「そんなことはないと思う。(中略)好きな本を読んで、それからきのうあったことや、変なことや、おとといあった困ったことを思い出すと、それがたいしたことではなく思える」と言っておられ。とにかく「読む」ことを語っておられ嬉しくなった。
    愛読書も沢山載っていて参考になった。
    随分前の本ですが、これでかなり頭の中、川上さん漬けになった。(再読)
    続きを読む

    投稿日:2020.09.16

  • かりん

    かりん

    川上弘美さんの小説やエッセイはなぜか冬に読みたくなります。なんでだろうなぁ。そして、文体も他の作家さんと違って見えるんですが、これは私の勘違いですよね…。なんというか、文章も文字もどっしりしてて静かな感じ。だから冬のイメージなのかなぁ。不思議です…。そして、まったりゆっくりした文体なのに、ときどきザクッと核心のついた一文にやられてしまう。そんなところがいい意味で病みつきです。くすっと笑えるところも所々に散らばっています。あっという間に読めちゃう。続きを読む

    投稿日:2020.07.08

  • michel723

    michel723

    川上弘美のエッセイが好きだ。
    小説以上にふわふわしていて、
    ぼーっとしていて、
    それなのに日常的な景色や行為に宿る、
    人間の様々な感覚に鋭敏で、
    この人の目を通すと世界がこんなふうに見えるのかと、
    し怖くなる。
    癖になる。

    読後に、
    あぁ、川上弘美のエッセイは、
    まるで詩のようだから好きなのだな、とわかった。
    続きを読む

    投稿日:2019.02.17

  • 橘

    川上弘美さんのエッセイはぼんやりと読むのにとても良いです。
    こちらも面白かったです。
    選ぶ言葉が素敵…「元気出ない回路」「十一月散歩」「偽ギリシャ」、偽の誕生日というのも面白かったです。
    「元気出ない回路」に迷い込んでしまったとき、わたしも本を読むかなぁと思いました。
    十一月なので十一月散歩にわたしも出掛けたいです。
    読書案内も良かった。川上さんの好きな本の本も持っているので読みます。
    続きを読む

    投稿日:2018.11.13

  • otaasian

    otaasian

    このエッセーを読んだおかげで、高浜虚子や武田百合子の作品に出合えた。川上さんによる「読書案内」は私にとってどストライク。はずれがない。

    投稿日:2018.04.06

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