【感想】壊れた世界の者たちよ

ドン・ウィンズロウ, 田口俊樹 / ハーパーBOOKS
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
8
5
1
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ブクログレビュー

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  • figo2011

    figo2011

    短編ではなく6篇の中編集。なんと過去作品のキャラが不意に出てきたりする作品があり、嬉しい驚き。
    やはり最初の作品の「壊れた世界の者たちよ」は、警察の麻薬班とマフィアとの闘いで、復讐の応酬は暴走し止まらない。まさに”壊れた世界の者たち”の話しで。

    「サンディエゴ動物園」は、チンパンジーの脱走から始まる話で、コミカルで楽しい作品。

    他ももちろんよいのだが、最後の「ラスト・ライド」も逸品。国境警備隊と不法入国者とそれにまつわるトランプのルール変更のアメリカの苦悩の話し。最後が切ないね。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.18

  • げん

    げん

    昨年の7月から、ドンウィンズロウの作品を、デビュー作の「ストリートキッズ」から執筆順に読み始めて、この作品までたどり着きました。これまでの作品の後日談(だけじゃ無いけど)がちりばめられていて、こういう読み方をして来て良かったとしみじみ思いました。ニールとブーンが、同じ作品で活躍するなんて、最高!その他のエピソードも、作者のアメリカの現状に対する憤りと国に対する愛情が溢れる名品ばかりでした。あと、3部作となる1シリーズで執筆は最後にするらしいですが、この中編集は一つの作者のけじめかな、と感想です。続きを読む

    投稿日:2023.02.28

  • Ghost Rider

    Ghost Rider

    古本屋で購入

    短編集といいながら、ブックカバーを選ぶような分厚い本。
    一編が150ページ以上の短編を6作で編纂しており、トータルは700ページを超える。

    投稿日:2022.07.12

  • サトウ

    サトウ

    表題作『壊れた世界の者たちよ』は映画さながらの疾走感があり、刺激的なエンタメとしてぐんぐん読み進めてしまった。
    他の短編も、個人的に好きな伊坂幸太郎作品と通ずるような小洒落た表現やクールなキャラクターがとても魅力的でありながら、なおかつ現代アメリカ社会の闇をリアルに描き出しており、クライムサスペンスとしても社会派小説としても読み応えがある。
    とりわけ『ラスト・ライド』については別格。
    根強い国境問題/移民問題を鋭く抉り出しながら、その前線に立つ人々の感情と哀愁に心を揺さぶられ、読後しばらく動けなかった。
    ただのエンタメではない。
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    投稿日:2021.05.24

  • toradesukantia55

    toradesukantia55

    ドン・ウィンズロウは期待に応えてくれる。
    ・壊れた世界の者たちよ
    ・犯罪心得一の一(クライム101)
    ・サンディエゴ動物園
    ・サンセット
    ・パラダイス――ベンとチョンとOの幕間的冒険
    ・ラスト・ライド
    の中編6作。
    最期のラスト・ライドが良かったと思う。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.13

  • nono

    nono

    ドン・ウィンズロウは初めて読むが、読み応えがあった。
    6つの中編それぞれが全く違う物語で、それぞれに堪能した。

    ①壊れた世界の者たちよ:表題作、兄弟を殺された麻薬犯強行係がチームで仇を取る血腥い物語
    ②犯罪心得一の一(クライム101):スマートな強盗と離婚されたしょぼくれ刑事の知的な戦い
    ③サンディエゴ動物園:銃を持ったチンパンジーに右往左往
    ④サンセット:死んだ妻との思い出とバウンティハンター社の最後の仕事
    ⑤パラダイス――ベンとチョンとOの幕間的冒険:ハワイでマリファナ栽培で業者とトラブル
    ⑥ラスト・ライド:メキシコ国境沿いの難民少女を母親のもとに送り届ける

    どれも特徴があるが、⑥のラストが何とも切ない。
    アメリカの光と陰と言うけど、ほんと陰ばっかじゃん、と思わずにいられない。
    そんな中で、こんな男の悲劇的な最後がラストとはねえ。
    読むのに結構な時間が掛かったがナイスな読書体験だった。

    Amazonより--------------------
    『このミステリーはすごい!』2020年度(宝島社)第3位『ザ・ボーダー』に並ぶ最高傑作!
    復讐、正義、野望、喪失、裏切り、贖罪――
    アメリカの「今」を活写した6篇を収録。
    【解説】穂井田直美

    「いま最も偉大な犯罪小説家」が活写する、アメリカの光と陰――

    驚愕と感嘆、絶賛の声高し!
    「驚き満載の玉手箱。ウィンズロウの多彩さが堪能できる上にテーマも深い」堂場瞬一(作家)
    「市井の黙示録のような見事な一冊」田口俊樹(翻訳家)
    「正義は最善ではない。本作が残酷で理不尽な物語か、自己犠牲の美談か、それは読者の正義感に委ねられる」丸山ゴンザレス(ジャーナリスト、第6話「ラスト・ライド」)

    ニューオーリンズ市警最強の麻薬班を率いるジミーは、ある手入れの報復に弟を惨殺され復讐の鬼と化す――。壊れた魂の暴走を描く表題作はじめ、チンパンジーが銃を手に脱走する「サンディエゴ動物園」、保釈中に逃亡したかつてのヒーローを探偵ブーンが追う「サンセット」、映画原作『野蛮なやつら』の幼なじみトリオが引き起こす新たな騒動「パラダイス」など6篇を収録。犯罪小説の巨匠による傑作中篇集!

    ■【収録作品】
    壊れた世界の者たちよ
    犯罪心得一の一(クライム101)
    サンディエゴ動物園
    サンセット
    パラダイス――ベンとチョンとOの幕間的冒険
    ラスト・ライド
    続きを読む

    投稿日:2021.03.09

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