【感想】三国志 十三の巻 極北の星

北方謙三 / 時代小説文庫
(53件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
16
22
11
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ブクログレビュー

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  • とお

    とお

    この後も晋建国まで描かれてても良かったのにと思いつつ、このタイミングで終わらせるのがベストなのかな。他の著書の三国志へ

    投稿日:2024.05.04

  • もー

    もー

    このレビューはネタバレを含みます

    馬謖や趙雲の死を経て悟ったような孔明と、いよいよ表に出てきた司馬懿との対決が始まる。
    諸葛亮は司馬懿を上回っている印象だが、兵力、国力の差でこれを破るまではいかない。
    鄧艾が出てきた。大きな役ではなかったが、名乗った瞬間に「あぁ・・」となった。この後の史実を知っているので次世代の名前が出てくると感慨がある。曹操に近侍した史実はないようだが、物語の中では曹操の影響を受ける人物(姜維は諸葛亮の影響を色濃く受けた後継)として、次世代にも初期の英雄達の残照があることを描きたいのだと思う。
    馬超や爰京が三国志の外側から世界を見ている(山中の村は別世界のようだ)描写は劇中の人物の目線とは異なる角度から物語を見せてくれる。

    後半からは孔明の老いや病の描写が様々に表現されるようになる。死期が迫る天才の最期の輝きなのか、最後の遠征では再び消極策を採り守りを固める司馬懿を手玉に取り圧倒するが・・。
    クライマックスの有名な五丈原の撤退戦を敢えて描かず、しかし、それでいて司馬懿のこれまでの様子から追撃しないであろう事が読み取れる。

    最終盤で劉備の声が孔明に聞き取れないのはなぜであろうか。単純に孔明の命が燃え尽きようとしている(すでに肉体は死しているのに尋常ではない精神力で事後のことを書き残すためだけに身体と思考が動いている)ためか、心の中にいた劉備も孔明の命と共に燃え尽きようとしていた(人は死しても彼を知る人の心に生き続け、知る人が死ぬときに本当に死んで(=消えて)いく)ということなのか。
    また、作中の天才はだれだったのか。一人は孔明で間違いないのだが、他にも居たのだろうか。
    司馬懿や周瑜、陸遜は自分の才能を限界まで出し切った(やつれるほどに考え抜いた)非天才。他に趙雲が挙げていたのはだれだったか。
    曹操にはこれほど苦しんだ描写はあっただろうか?孫策には苦しんでいる描写はあまりないが、周瑜の回想にある「舟の舳先で一人耐えていたのだろうか」や暗殺された経緯からも天才ではなかったか。
    曹操と孔明という二人の天才が火花を散らした物語が三国志であったのだろうか。
    考え抜いた司馬懿が一度は出し抜いたが次には孔明に翻弄されるあたり、天才と凡才の根本的な違いを感じてしまう。

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    投稿日:2024.03.24

  • くろ

    くろ

    ゲームから三國志が好きになって、いろんな三國志を読み漁っているときに出会ったシリーズでした。

    とにかく人間臭い。人間らしくて、かっこいいだけではなくて、葛藤とか苦悩とか、恐怖とか、そういうものもしっかり描かれていて。今まで読んだ三國志の中で断トツに好きなシリーズです。続きを読む

    投稿日:2022.10.09

  • momchap

    momchap

    孔明が死んでのちのことは描かれない。
    なんだかちょっと尻切れとんぼのような気もするが、オープンエンドでこれからの時代を生きていく者たちに焦点を当てているという意味で、清々しさも感じた。

    投稿日:2022.06.12

  • pianner

    pianner

    このレビューはネタバレを含みます

    ついに北方三国志読了。蜀の北伐における孔明と司馬懿の戦いは他の作品でもそうだけど、切ないものがある。死せる孔明〜も魏延の裏切りもなく(伏線はあったのに)途中で終わった感じだけど別に良いかな。栄枯盛衰、人の意思、儚さ、老い…いろいろ考えさせられる。とにかく面白かった。終わってしまって少し寂しい。

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    投稿日:2021.12.09

  • トバムネキ

    トバムネキ

    いよいよ北方三国志が完結です。オリジナルの登場人物や馬超が時代の観測者となり、読者の理解を深めさせています。事前に調べた際、北方三国志は正史準拠という記述を目にしましたが、実際は演義に近いように感じました。特に、諸葛亮贔屓が強く、司馬懿の扱いがぞんざいになっています。また、終盤の呉は完全に空気であり、正史では既に亡くなっているはずの馬超の方が目立っています。以上の点から、魏や呉が好きな方は少し不満を覚えるかもしれません。しかし、それを差し引いても、北方三国志が歴史小説において最高の物語の部類に入ることは紛れもないことです。続きを読む

    投稿日:2021.08.26

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