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藤水名子 / 講談社文庫 (7件のレビュー)
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nyan0620
皇帝が後宮の官女を描くように命じた際、画家に賄賂を贈らなかったため、容姿の劣った娘と思われ、匈奴へ嫁ぐよう命じられるというエピソートで王昭君のことを知っていたのですが、正史には、彼女についてたった一行…記されているだけで、このエピソードすら、真偽は明らかでなく、彼女の実像は謎の中なのですね。 この物語で王昭君は、ここではないどこかへ行き、思いっきり翼を広げてみたいという、いきいきした魂を持った女性として登場します。そうして、運命に流されるどころか、運命をつかみ、匈奴へ旅立ち、馬に乗ることを覚え、二人の男性と夫婦の絆を結び、子を育て、部族を守り・・・。命の輝きそのままに進む彼女のたくましさが心地よいです。 そして、晩年、無鉄砲ともいえる若い日の自分を思う心情がしんと心に残ります。その姿には、人生の半ばをすぎた自分や周りの誰かと通じるものがあります。 時を超えて、女性の春秋を描いた物語なのかも知れません。続きを読む
投稿日:2017.11.24
無夜
このレビューはネタバレを含みます
古書購入 歴史小説。三国志よりだいぶ前。 画家に賄賂を贈らなかったため、醜くかかれ、時の皇帝はその絵を見て薄幸の美姫、王昭君を匈奴の王に嫁がせることにする。が、嫁ぐ日に、皇帝は彼女の姿を見て、その美しさを知って惜しむ、というのが本来の物語。 この王昭君。狭いところが大嫌い。田舎が嫌い。なぜなら、みんな知りあいで、狭い世界だから。弟を言いくるめて、叔父(都在住)の元勉強に行きたいと言わせ、自分もちゃっかりついていく。そして都会にもすぐにあきる。だって、狭いんだもの。で、広さを求めて、後宮へ。(行動選択がめっちゃ間違ってる) 当然、後宮にもあきる。だって、狭いんだもの。(当たり前だ) 匈奴に嫁に行けと言われた彼女は喜ぶ。 「いったことがないところ!」 そう、彼女にとってだだっ広い砂漠の大地、そして遊牧生活はまさしく、「彼女のためのような生活」であったのだった。(笑) 後年、故郷への愛惜にかられるが、その姿は美しい。故郷を懐かしんでも自分のしてきたことを後悔しない彼女。 漢と匈奴の掛け橋となって、その地で没する。 三国志とかの絡みで読んでおくかなーと思って読みました。 藤さんのは、女強いです♪ 男、良い男多いです。
投稿日:2011.05.28
species5618
王昭君という女性にはなんだかはかない弱弱しいイメージがあったのだが、本作はそれを覆してくれる。 でも、よく考えれば、当時の宮廷から匈奴へわたって生活し、汗の妻として過ごしたのだからそう弱弱しくもなかろ…う。 あまり史実に伝わってこない人物に関する想像はかくも楽しいから 歴史小説はやめられない。続きを読む
投稿日:2010.10.25
昴秀竜
歴史や民話に伝わる王昭君とは違う作者独自の解釈の王昭君が描かれています。派手な戦闘や権謀術数はありません。ただ一人の女性が異国へ嫁ぎ、子をうみ、生きたお話。個人的には二番目の旦那さん、若鞮単于とのどこ…かとぼけた夫婦の会話が好きです。彼女は宮廷で見つけられなかったものを、草原で見つけたのでしょうか……。続きを読む
投稿日:2010.01.29
do-sukoi
中国三大美女・王昭君の一生を描いた物語。 主人公の爽やかで明るい性格やかわいらしさは、とても好感がもてておもしろかった!
投稿日:2009.10.27
kimakigami
世界史ででてきた王昭君。 気になって読んでみた。 ありえないって思う展開が多いけど でも、結構好きだったなぁ。 ちょっとスニーカー文庫っぽいかも。
投稿日:2009.05.12
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