【感想】韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩

金敬哲 / 講談社現代新書
(20件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • Eleanor Rigby

    Eleanor Rigby

    小手先の対策ではなくて、根本的な部分に対処しないとイタチごっこになることがよく分かる。
    日本も似たような道を突っ走っている気がしてならない。

    投稿日:2023.10.07

  • タプチャン

    タプチャン

    韓国の社会システムの現在を報告した書。子どもから若者、中高年から高齢者とそれぞれのステージで分けて描かれている。
    端的に言うと子どもと家族がお受験競争、若者は就職競争、中高年は非正規労働で停滞するか子どものお受験競争に自身も当事者になる、高齢者は社会の急速なIT化と未熟な年金制度で現役から抜け出せない。資本主義競争で立ち止まったら終わり。なのでその仕組みで走りつづけるしかない。韓国社会で人々が青息吐息で生きているのを想像すると幸せとは一体なんなのだろうと考えてしまった。彼らをみて資本主義にとって幸せとは食欲、承認欲、など人間が感じる一瞬の出来事なのかもしれない。
    日本の中高年以下の人たちはこれを他人事と思わない方がいい。特にこの本の第四章の高齢者のところは我々の未来になっている可能性が高い。年金システムの破綻、高齢者が疎まれる現象、現役のまま。自身が高校生の頃学校の先生が予言しておられた。僕らの世代(団塊ジュニア)が将来高齢者になった時、電車で僕らは若者に席を譲らなければならないかもしれない。体の運動のためにも。
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    投稿日:2021.12.13

  • ちゅん

    ちゅん

    韓国の現状の成功の厳しさを説明する本
    資本主義の効率を進めていくとこうなるという例
    成功しなくてもいいという余裕が必要なんだろうけど、資本主義が許してくれないのが厳しい

    中間層の崩壊、労働者の4割が非正規雇用
    スプーン階級論:銅5億ウォン、N放世代:恋愛結婚出産

    学習塾の流行、教育制度ハック
    就活、大学名、大学成績、海外語学、TOEIC、公募展、資格、インターン、ボランティア
    退職年齢男53女47
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    投稿日:2021.06.30

  • あわたろう

    あわたろう

    韓国が異常だと強く思ったのは日本との問題もそうだが、個人的にはオリンピックで自国選手に不利な採点をされたとかで、相手の選手のSNSなどに韓国人大量の攻撃→相手選手は心身症、この相手国の選手団が抗議をするという事件が複数あったこと。この激情性は何か爆発寸前の鬱々たる不満がみなぎっていないとならないのでは? と感じたがその回答とも言えるのが本書。子供、若者、中年と一部の「勝ち組」になるための競争社会が、次の老人の章では社会保障もなく老人を敬う社会から「嫌老社会」となった現在が描かれる。ここで前の3世代はレールの上でなんとか外れまいと苦労する姿だが老人の世代ではレールからすでに外れた人だ。著者は実例とデータを駆使した説得力あるエビデンスを示しながら、読み物として興味深くまとめている。よく韓国はローンに苦しんでいるという報道があるが贅沢病というより競争で暴騰する教育費という側面が強いのだろう。
    この本では負の側面を描いているが、韓国はアジア金融危機でのデフォルト以後、この過酷な競争社会で有史上最高の経済的反映を遂げたことも事実だろう。
    周りをみても過酷な教育戦争もあってか「勝ち組」の外国語に堪能でテキパキこなす人材が多いような印象がある。この本の著者も日本留学のあと東京新聞のソウル記者のちフリーになった人だが、これだけの本を非ネイティブの日本語で書く力量は、東京新聞のあの酷い内容を書き連ねる日本人記者よりもはるかに優秀だし、欧米の日本在住記者(多くは特派員と称してまともに日本語ができない)には爪の垢を煎じて飲んでほしい。
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    投稿日:2021.04.28

  • sen

    sen

    このレビューはネタバレを含みます

    この一冊で韓国国内の社会問題が大まかに分かります。韓国特有の問題もあったり、日本と似たようなものもあったり。K-POPや韓国映画・ドラマなどのメディアカルチャーから韓国に関心を持ち始めた人にもおすすめです。

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    投稿日:2021.04.24

  • 佐々木城光

    佐々木城光

    エンタメというフィルターを通して韓国に触れる機会は格段に増えている日本。
    しかし、隣国の実情まで理解している人は多くないのではないだろうか。

    パラサイトの描写にも共感を覚える人が多いのだろうし、ドラマの主人公がやたら金持ちばかりなのも、社会の理想が、反映されているのだろうと思った。

    資本主義の原理を究極に突き詰めると新自由主義に辿り着き、格差は拡大する。
    この事実のモデルケースのような事態に陥ってしまっているなと感じる。
    アメリカも同様の事態だが、救いは大きな政府を標榜する民主党の存在があること。小さな政府主義の共和党とバランスを取り、新自由主義に傾きすぎないように、構造としてなっている。
    韓国には政党としてそういった存在があるのだろうか。

    文在寅は、上記の点を改善する庶民よりの出自を持っていた為、就任当初は熱狂的に歓迎された。
    しかし、大きな政府を目指し実施された改革はほとんど空回り。格差の拡大は止まることを知らない。
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    投稿日:2021.01.30

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