【感想】ハロー、メランコリック！: 3【イラスト特典付】

このレビューはネタバレを含みます

　極めて王道ながら、上質な百合漫画だった。3巻できっちりまとめて、これだけのものを作り上げる手腕も素晴らしい。
　互いの感情を紐解いて、すり合わせて理解していく過程が好きなので、そういった描写がある点、またその内容（論理）も非常に好みだった。複数視点から描くことで、お互いの葛藤が提示されるのも漫画ならではの語り口で、媒体の強みも生かした作品だった。
　一点、響生→湊の気持ちは恋愛感情であることを自認しているが、湊→響生がそうなのかどうか、確認するところがあると、もっと好みだったかも知れない。読者からすると、湊の気持ちが恋愛感情であることは自明だが、彼女本人が両想いだと言われてなお、先輩後輩/人間的に好きあっているという認識にとどまっているんじゃないか、という疑いは拭い切れなかったように思う。無自覚に殺し文句を吐くキャラクターとして描写されているので、余計に。些細な点ではあるし、その後の描写的には、ちゃんと恋人同士と認識しているようなので、瑕疵というほどでは全くないが。

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