【感想】国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか

デービッド・アトキンソン / 講談社+α新書
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • 本の虫

    本の虫


    データに基づき、日本の企業分析と中小企業への活路理論は一定の理解を得られるものでした。
    日本の財政が厳しい中で選択をする必要性が迫られていると感じます。

    投稿日:2023.10.27

  • bukuawa

    bukuawa

    日本経済再生のためには中小企業を集約して生産性改善すべし。という論陣なのだが、総論賛成、各論説明不足。といった感じ。

    肝心なところで1+1=2みたいな話で逃げたり、英統計で実証されている。とだけ言ったり、私は因果関係と相関関係を間違えることは無い。と啖呵を切ったりしているけれど、そこから一歩踏み込んだところに論点・論拠があるんじゃないかと言いたい。また、局所局所のことだけ見て上記のような薄い議論で逃げるから、全体で見ると矛盾しているようにとれる記述だらけ。一例だけ挙げると日本の高度成長は単に人口増の効果だ。と言っているけれど、そうであれば筆者の説く中小企業再編による合理化も、人口減時代には全く意味がないよね。まあ、これは揚げ足取りに近いけれど、筆者が嫌う反対派と同じレベルで針小棒大、極端な単純化理論がちりばめられていると思う。

    結局のところ、膨張し続けることを是とする資本主義経済に属する以上、規模(人口)増加の効果がなくなる日本では、単価(賃金∝物価)を上げることでGDPを上げるしかない。賃上げは中小企業の再編を促し、企業体力が上がることで効率改善のための投資が増え、ますます正の効果をもたらす。また物価上昇は実質的な社会保障費(年金)の抑制につながる。と言っているだけだと思う。明確には述べられていないけど。本当はこうやって議論を整理して、では、実際に改善策を社会に実装するには1+1=2とならない/できない/しないことへの対策として○○をやっていくべき。とまとめてほしかった。

    それにしても結局わからないのが日本の生産性問題。"生産性"と一言で言われているけれど、①国民一人当たりのGDP と、②労働者一人当たりのGDP がごちゃ混ぜで語られるからわかりにくいのかな。という気がするが、②で考えた時に日本人の給与は大企業でも外国企業に劣るのに、なぜ国際競争に苦戦するんだろうと。別に外国人と仕事しても彼らが日本人よりはるかに優秀だとは全く思えないし、企業規模がそれほど大きくない企業でも給与水準は日本より高い。そんな現状で筆者の言う中小企業の統合をやってもどれほどの効果があるのかと思ってしまうが。なんかそうやってもやもやしていると、サービス業の企業体格と生産性の関係云々も筆者もおられた大規模コンサルと、街の食堂を比べて言ってるんじゃないかとすら思えてしまう。そういうデータの細かいところからきちんと示して、さらに詳細で建設的な議論を望みたい。
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    投稿日:2023.06.23

  • マコト

    マコト

    新たなグランドデザインが必要。
    中小企業は、大規模投資ができず労働生産性が上がらないので悪。
    中小企業を統合し、大企業を増やすことと、政府主導で最低賃金を上げ、人口減少に歯止めをかけることが日本社会には必要。

    もしそれが出来なければ状況は変わらず、南海トラフ地震、首都直下型地震が起きた場合、首都の機能が止まり、国家の体力が奪われ、中国資本の流入により中国の支配化となるシナリオも考えられる‥


    中小企業から比較的大企業に転職した自分としては、確かに中小企業では人がいないので変わりも利かず、そもそも休んだり余裕のないことも多かった。
    利益をあげられない中小企業は酷だが無くなるほうが全体として合理的ではありそう。
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    投稿日:2023.03.20

  • tanakanokouki

    tanakanokouki

    毒にも薬にもならない本は、読んでも意味が薄い、となにかで見た記憶がありますが、この本は一言で言うと劇薬だったんだろうと思います。
    というのも、この考えが徐々に浸透していて、書かれていることの通りに現実を直視して、政治家や官僚達が動いていると思えるからです。
    経営がうまくいってない中小企業の社長にはオススメできない、不都合な真実が書いてある良書と思います。
    最低賃金を引き上げて、生産性向上というのは目からウロコでした。
    そうしないと中国の属国になるよ、という敬称です。
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    投稿日:2022.01.13

  • ク~

    ク~

    このレビューはネタバレを含みます

    なるほど。そうかも。
    デービッド・アトキンソン氏の主張は、納得できることが多いです。

    日本の最低賃金を上げて、生産性を上げ、国力をつけよ!
    さもなくば、今後、自然災害などで膨大な被害が出てきた場合、支援という名目で中国が参入してきて、日本を中国の植民地にしてしまう可能性がある。

    日本の最低賃金を上げないと、生産力が弱まってしまう。
    中小企業を優遇した国策のせいで、バブル崩壊以降の現在の不景気が続いている。
    それ以前から、中小企業を優遇し過ぎているために、生産力、国益が向上していない。

    中小企業を集約させて、大企業にすることで、人材の育成を企業が担っていくべきである。

    中小企業の社長は、最低賃金を上げると倒産する、賃上げに抵抗している。生産性が上がったら、賃金を上げると主張しているが、バブル崩壊以降、生産性が上がっても、内部留保して社長の利益を確保することに注力して、従業員への賃金には還元していないため、現在の生産力低迷が起こっている。なるほど。

    下町ロケットなどのドラマがもてはやされ、技術力の高い中小企業を美化する文化が根強いが、それは妄想。そういう話を日本人は好む傾向にある。資金力のある大企業が、中小企業に劣るというのは、ドラマの中の話。

    そうかも。怖いです。

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    投稿日:2021.08.04

  • motoy0415

    motoy0415

    ほー。ほー。と唸ることばかり。基本的に、この人の意見に賛成。

    特に、中小企業庁の施策が無駄である点について、大賛成。小さい企業では生産性はあがらない。というのは私の体感と一致。

    日本の生産性の低さを、企業規模に求めた論は初めて見たな。

    あと。賃上げって、なんとなくやつてるかと思ってたけど、人口が減少する中で消費を増やす策として重要らしい。へー、そーだったんだ!
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    投稿日:2021.04.08

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