【感想】貨幣が語る ローマ帝国史 権力と図像の千年

比佐篤 / 中公新書
(7件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • makibinn3585

    makibinn3585

    タイトルの通り、貨幣を切り口にしたローマ帝国史で、ぐっと引き込まれた。読み終わったあとはローマ帝国のことをもっと知りたくなること間違いなし。個人的には、昔、ローマ帝国史好きだったよなぁと懐かしく思いながら、おさらいのつもりで読みました…。続きを読む

    投稿日:2021.10.11

  • searanran

    searanran

    貨幣から読むローマ史。
    ユリウス・クラウディウス朝関連が多いが、西ローマ帝国末期までを概観している。
    貨幣の図像からそこに描かれた人物(皇帝など)、並びに貨幣を鋳造した者たちをとらえ、彼らが何を言おうとし、そして彼らがどのような存在であったかを検討している。

    紙面の制約からか、皇帝による継承アピールが中心だったように思えるけれど、そこに刻まれた文字(クレメンティアとかそういうの)で鋳造者や皇帝がどういう意図を持っていたか? ということについても概観してあったら嬉しかったかも。

    巻末の参考文献がとてもありがたい……。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.30

  • 中央公論新社

    中央公論新社

    発掘されているものだけで数千種類にのぼるローマ帝国の貨幣。図像と刻まれた銘文から千年の歴史を読み解く、新しい古代ローマ史入門

    投稿日:2019.03.11

  • うみ

    うみ

    貨幣(まあ、当然ながらまだ紙幣は無いのでコイン)に刻まれた図や文字、これは当時のメディアの一つであり、このメッセージを読み解ければ、当時の政治、社会、あるいは権力者側が伝えたかったもののみならず、宗教観まで読み解いていけるのかと。
    共和制時代の「選挙対策」から、皇帝のメディアとなっていく過程、あるいは、都市国家独自の貨幣が、ローマの支配下、ローマの権威の下に収斂されていく。
    そして、民族毎の神、民族毎の権威から、地中海世界の唯一の権威としてのローマ皇帝の存在が続き、広まり、定着した事が、民族の枠を超えた一神教としてのキリスト教が西欧に浸透し、定着していく土壌となっていった(ということは、シリアやエジプト、北アフリカにおける一神教の土壌でもあると言う事か?)という発想は、新たな知見であった。

    ローマ教皇がカエサルの後継者だったのかと。
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    投稿日:2018.12.31

  • タカギ

    タカギ

    凡人には貨幣がどれも同じに見えますが、「手掛かり」や「意味」を解読していくんですね。
    キリスト教もまたギリシャ思想、ローマ時代の影響を受けているということを貨幣から読み解くというのもおもしろい。

    投稿日:2018.11.26

  • koochann

    koochann

     ローマの貨幣といえば聖書に出てくるイエスの言葉、「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい」が思い出される。カエサルの肖像が描かれた通貨がローマ帝国においてどのようにして誕生し、どのように変化していったのか、そのことを通してローマ帝国がどのような成り立ちの国だったのという観点からの世界史は新鮮だった。実はポンペイウスが顕彰されたことから肖像となったことが始まり。共和政時代には自己宣伝として栄達のために使われたものが次第に、皇帝が自らの正統性を主張するための前任者との並ぶ肖像、逆に後継者を権威づけるための並び肖像となっていった歴史がよく分かる。またネロのように母親が出てくるその理由は…。アウグストゥスが初代皇帝でありながら、共和制の復活を主張するかのようなラテン語を印字している理由も逆説的で面白いところ。
    ローマの貨幣になぜギリシャ語の表記が多いかは、ラテン語を強制せずに、自治を広く認めていたということはこれまで気づかなかったこと。なお、この著者はキリスト教に対しては、多神教世界との妥協という独断、それに基づく解釈が多すぎ、偏見が強い。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.20

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