【感想】ラジオラジオラジオ!

加藤千恵 / 河出文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • NO Book & Coffee  NO LIFE

    NO Book & Coffee NO LIFE

     『 勝手に「ラジオ」特集 #5 』
     ー加藤千恵さん『ラジオラジオラジオ!』ー

     加藤千恵さん、初読でした。本書のタイトルは、地方都市の女子高生・華菜が、友人・智香と共にパーソナリティを務めるラジオ番組のタイトルです。

     東京やTV業界へ憧れを抱く華菜、対照的で堅実派の智香を中心に、主人公・華菜の視点で描かれていきます。読み進むほどに、華菜の独りよがりな一面が表出してきます。
     2人の間柄だけでなく、周囲との関係も次第に微妙にすれ違うようになり、その過程が繊細にかつ丁寧に描かれています。

     大人の普通感覚からしたら、華菜の考え方や言動は突っ込みどころ満載で、教え諭したくなります。それでも、悪気がなく、若さゆえ(?)の華菜の自意識過剰さや身勝手さに共感したり、感情移入したりする人も多いのでは? と思わされる、瑞々しくも爽やかな青春小説だと感じました。

     140ページ程度の中編表題作の他に、短編「青と赤の物語」も収められています。
     物語のない(禁止された)世界に生きる若い男女2人が、小説という物語に救われる様子を〝物語風に〟描いています。「なぜ本を読むのか?」という問いへの、著者のひとつの答えでしょう。小品ながら、秀作でした。
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    投稿日:2023.04.15

  • 杏

    小学生の頃から今まで、何回も読んでいる本。
    爽やかで、それぞれの姿が可愛くて、1人で決断をしていく姿がかっこよくて、みんな愛おしい。
    感想を書いていたらまた読みたくなってきた。

    投稿日:2021.01.18

  • 羊さん

    羊さん

    北海道のFM局で週1回ラジオ番組を放送している高3のカナ&トモ。将来放送関係の仕事に就きたいと思っている華奈が、フリーペーパーにあったパーソナリティー募集の記事に智香をさそって応募したのだ。夢への第1歩として番組に入れ込む華菜だったが、少しづつ智香との温度差が出てくる。

    著者が高校生の頃に実際に地元のFM局で友人と番組を持っていたことがベースになっているそうだ。どうりで舞台が2001年と微妙な設定なのがわかる。設定はともかく、高校生らしい友人関係と将来への希望のそれぞれが素直にでていて読みやすかった。

    もう1作の「青と赤の物語」物語が禁止されている国で図書館に保存されている物語を盗み読みする中学生の話。「華氏451度」ほどではないけれど…。
    続きを読む

    投稿日:2019.07.05

  • higetan

    higetan

    高校3年生のカナ,友人のトモと2人地方ラジオ局で毎週一回の番組を放送してくる。番組への反響は決して多くなく,トモは大学受験を控えて番組を休みたいと言い出す。自分の進路も友達の恋愛も気懸かり。物語が禁じられた世界での少年少女を描く短篇「青と赤の物語」も併載。続きを読む

    投稿日:2019.05.04

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