【感想】高校生にも読んでほしい平和のための安全保障の授業

佐藤正久 / ワニブックス
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
1
0
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • 亞綺羅

    亞綺羅

    借りたもの。
    「安全保障」とは何か?その答えを世界のグローバルスタンダードと日本の現行法と照らし合わせ、問題点や平和安全法制が「戦争法などではない」こと、憲法第9条と対立関係ではないことを懇切丁寧に解説。
    TVなどのマスメディアが報道してない、そもそも国防と国家間の平和とは何かを、“ひげの隊長”が解説。

    平和安全法制が何故必要だったのか?
    現場で一番の悩みは武器の使用権限。
    法律に縛られているがゆえに、“自衛隊が”攻撃を受けていないから正当防衛ではないという理由で、武器を持たない文民やNGOの人々を護衛できないという。
    範囲を越える活動に該当し、守れないというジレンマ。
    イレギュラーをその都度許すなんてことになったら、法律の意味がない。だからこそ、恒久法が必要だということ。
    また、日本の国防は“米軍ありき”という事実、切れ目なく日米が相互に守り合うことで信頼や牽制になっていた。
    何故なら一国で国防するのはお金がかかるし、自国の軍事力だけで守る(個別的自衛権)のは軍拡競争を招く事を忘れている……それをWWⅠ,Ⅱで世界は体験した。
    さらに湾岸戦争の際、資金援助のみだった日本は諸外国から信用されなかったという苦い経験をしている。

    戦争を望まないのは自衛隊も同じ。
    そもそも自衛隊は「軍隊のようで、軍隊ではない」とはっきり言う。「警察の大きなもの」とも。(前身組織の名称が警察予備隊だからか?)

    日本の国防に関しての問題点も紹介。
    日本周辺に留まらない。日本のシーレーン(油の道)問題…その確保が生活に大きな影響を与えることに、どれだけの人が気づいているだろうか?
    極東アジアにとって、日本列島は太平洋進出を阻む邪魔な存在である事実。(地政学的に)
    中国の究極の目標は2040年まで太平洋をアメリカと二分することだと紹介。
    中国は「国境は国力に応じて変化する」という考えを持っており、時間をかけて少しずつ変えるつもりであること、それらは「世論戦」「心理戦」「法律戦」という。
    実際、これらが国際社会で問題視されている。
    その工作活動全てが上手くいくとは思わない……というより、周辺諸国の当然反発を食らうことは予想される。
    アメリカ「航行の自由作戦」、フィリピンの国際法に基づく「中国の主張と行動の違法性」を訴えていることをあげている。
    南シナ海で起きていることは東シナ海でも起こる。この危機感。
    以前問題になった、大群で押し寄せてくる漁民の下には潜水艦があること。
    北朝鮮の脅威。国際ルールから逸脱しているから、何をするかわからない。
    ロシアによる条約違反からの不法占拠にはじまる北方領土問題。
    韓国との竹島問題……
    日本は国防に関して、様々な問題を抱えている事実。
    それらを一般人も知ってほしいとひげの隊長は訴える。

    部隊の運用に関して、世間一般から受ける批判についても反論?諭している。
    自衛官の自殺率について、野党が「犠牲者」という言葉を使い印象操作とうわべだけの話で自衛隊員の身を案じていることを冷ややかに受け止めている。
    海外派遣から帰還した自衛官の自殺率一般のそれよりも低いとの事。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.28

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。