【感想】偶像の黄昏

フリードリヒ・ニーチェ, 村井則夫 / 河出文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • なん

    なん

    ニーチェの思想の基礎が大まかにわかる書。

    キリスト教道徳は聖職者の聖なる妄想であり、人間の生の部分を貶めると考え、触れた人間たちの生命力を弱めている。

    投稿日:2023.05.01

  • 狐舞

    狐舞

     ドイツに頽廃をもたらした様々なものを、"生"を否定するキリスト教的価値観をキリスト教を貧者の宗教であり頽廃をもたらすものであると看破しながら、疾走感と痛快さをもって手当たり次第に切り捨て、破壊していく。"生"の否定がどこからもたらされていたかと考えていたかがはっきりと示されたニーチェの思想の到達点である。
     中でも印象に残ったのが、『反時代的人間の渉猟』で指摘している無政府主義者の行動である。社会の底辺階層を代弁して「『正義』、『公平』『平等の権利』を要求」し、「私が下層民であるなら、お前もそうあるべきだ」という理論を掲げ、そして「自分の困窮ぶりを他人のせい」にして復讐そして革命を煽る。これは今まさに世界で起きていることであり、これをすでに指摘していたニーチェの視点の鋭さに驚くばかりである。
     ニーチェの当時のドイツに対する忠告であるが、それは現代に対しても有効であるように思う。"生"を否定する存在、すなわち、自らの意思で行動することを否定し、変わろうとする(=豊かになろうとする)意欲を奪っていく存在から、どのようにして身を守るべきかを改めて考えていかなければならないだろう。
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    投稿日:2019.05.26

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