【感想】彼女に関する十二章

中島京子 / 中公文庫
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • urara

    urara

    聖子は50歳になった。
    息子は巣立って夫と二人暮らし。
    時々夫にはイラッとさせられるけれど、そこは上手くやっていけてると思う。
    50歳になって、それでも色々なことが起こる。
    女には縁がないと思っていた息子が彼女を連れて帰ってきたり、仕事先の事務所に出入りする初老の男と関わったり。

    人生は捨てたもんじゃない。
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    投稿日:2023.11.23

  • 阿羅漢

    阿羅漢

    暫く読書断ちしていたから、久しぶりに手に取った一冊。
    中島さんの本は「ムーンライトイン」以来だけどまたまた面白かったなぁ。
    表面だけ眺めると、”中年女性に訪れた小さなロマンス”という風体だけど、読み進めていくと根底には、なんでもない人間の生と、多分その先にある死への愛おしさが満ちていることに思い及ぶ。
    この方の文章は、いつもなにか不思議な温かさと同時に、まるで倍音のような余韻を感じてしまう。
    あと、伊藤整さんの「女性に関する十二章」を読んでみたくなりました。
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    投稿日:2023.11.01

  • 中野

    中野

    このレビューはネタバレを含みます

    聖子さんの脳内独白が面白くて声に出して笑ってしまった。上品な面白さで聖子さんの綺麗事ばかりでは無い人間味溢れる聖子さんに惹かれる。

    「相手はまだ気づいていない、見る側にとって有利な条件のもとで、聖子は心置きなくこの三十一歳の青年の姿を眺めた。」

    日常で取りこぼしがちなシーンを切り取るのが凄くお上手です。

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    投稿日:2023.01.26

  • mao2cat

    mao2cat

    聖子さんの脳内独白が面白い。
    最初の出だし
    「どうやらあがったようだわ。」と梅雨の晴れ間を見上げてつぶやく聖子さん。これだけでもう面白い。やられた!
    60年前の古くさい「女性論」と主婦の聖子さんの日常がシンクロしてるところも面白い。
    聖子さんの人生考察とも言える脳内独白は、答えがあるわけじゃないけど、意外に深い。
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    投稿日:2022.11.25

  • エリカ

    エリカ

    ふだんミステリーばかり読んでいると、こんな本が無性に読みたくなる。
    中島京子さんの文章や物語がとても好き。

    「明日は今日予想できるものじゃない、とは、誰にも否定できない真実だ。明日という日に意味があるのは、今日とは違うことが起こるからなのだ」

    いつか読んでみたい、伊藤整「女性に関する十二章」
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    投稿日:2022.03.07

  • raindrops

    raindrops

    50代の普通の主婦である聖子さんが主人公の話。

    聖子さんが面白い。
    出だしから「粕添瓢一に投票する男とセックスしない女達の会」に入ったボンゴに対する聖子さんの考えに笑った。
    また、一人息子が心配でしょうがない様子もどこにでもいるお母さんのようだ。この前まで「息子は女の子と付き合ったことがないにちがいない」と心配していたのに、いきなり妊娠した彼女を連れて帰ってきたら、それはそれでまた心配する。

    くすりと笑える柔らかい本でした。
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    投稿日:2021.11.18

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