【感想】純愛淫堕

ﾋﾞｯﾁな喘ぎとセリフがﾊｧﾊｧ…。
ﾋﾞｯﾁなのに純情だし頭いいし境遇も切ないものがあったり（バカなビッチは苦手なんです）。
なかなかいい読後感であった。

表紙から赤面モノのエロス！口絵も滴るばかりの濡れ場です。リリ文庫の［月］は、クール＆ハードなBLだそうで、看板に違わずバーバラｾﾝｾの妄想ワールドが全開でした。BL妄想で都議等政界諸々をやっつけるｾﾝ…ｾのお手並みに溜飲が下がります。

国会議員を目指す都議、津田遼也はビッチ受。小さい時から元総理！の代議士に飼われ、現在はその地盤を引き継いだ長男の毅に飼われている身。でも、そんな環境にも押しつぶされず、むしろ踏み台として政界でのし上がる野望さえも抱いているクール美人です。そして、そのビッチな遼也が長年恋しているのが毅の弟の悠月。この悠月がですね、ノーベル賞受賞者というぶっとんだ設定でびっくりなんです。歳のわりに純粋でしかもDTでちょっととぼけた性格なのは、研究バカだったからということですね…高校で留学して遼也と離れ離れになったところから算出すると、悠月は30歳で、遼也は33歳ということでかなりアダルトcpです。

ストーリーは政界が舞台ですが、深く考えると突っ込んでしまいたくなるので、流して読んだほうが全然不都合はないくらい。遼也と毅と悠月、3人の主従関係を描くのには格好の背景なので、まあこの程度の内容でいいんじゃないかと。

そんなことより、この話の殆どが絡みシーンだってことはお知らせしておきます。初っ端から毅×遼也でベッドシーンです。ビッチな誘い受で、プラス毅の命令でいろんな政界方々と交わっているので、そんな濡れ場ばかり。そして、この遼也が発するHの時の台詞がとんでもなくエロ。桃色です。羞恥心がかえって燃えるタイプみたいです。
遼也はちょっとクロい部分も持ちながら、そのクロさを唯一悠月には発動することができない純情さに可愛げがあります。でも、悠月とのベッドシーンで「おいしそう」とか「いただきます」とか考えちゃってる、とても淫乱な33歳です…
とぼけた味のある悠月は、どんなにワルワルな遼也でも好き！という気持ちが伝わってきてかわいいところはあったけど、それ以外では今ひとつはっきりしないところがあってもやっとさせられました。でも、遼也のエロな毒気に当てられてしまったのかもしれない。

回想シーンで子供時代の遼也の痛い話があるので、これは好みが分かれそうです。そこを語らないと、どうして遼也が今の状況に至っているのかが分からないのでさらっと描かれています。

どうやら、お兄ちゃんの毅も遼也のことを本気で好きだったらしいけど、少ししか漏れてませんね。もう少しそこも見せてほしかった。
遠回りしてるけど純愛もちゃんと描かれているので、そこはとても満足です。
でも、一番気に入ったのは書き下ろしペーパー。これにキュンキュンきた。個人的にこれに★5つ。続きを読む