【感想】恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

丸谷才一 / 講談社文芸文庫
(2件のレビュー)

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  • itomona

    itomona

    ”もののあはれ””からごころ”から”神国日本”の発想に至る本居宣長の内面的事情を、博識と作家的想像力でもって描き出す。講演がもととなっているとのことで論理だけでなく情も交えて読みやすく、なるほどと思わされる。女人往生の系譜とその始原を描いて見せた「女の救はれ」も面白かった。続きを読む

    投稿日:2023.09.17

  • koochann

    koochann

    中国では恋愛文学が成長せず、日本に成長したのは儒教の影響による、との宣長の主張は興味深い。確かに日本には源氏物語があるが・・・。唐詩選の465首の中で、恋人を思う歌は2首とは、日本の万葉・古今・新古今と比べても驚く状況。某氏が「歌は我が国の風習だが、恋歌が非常に多く、まことに淫ら。恋歌でなくとも花鳥風月などの軽薄なことが多く、世の役に立たぬ無益」との言葉に対し、宣長が「歌の風雅な趣を知らない、頑固な考え。・・・道徳論にこだわってはいけない」という反論は見事との紹介。しかし、筆者が宣長の歌の下手さは尋常ではないという説明は実に可笑しい。「女の救はれ」は実は建礼門院は義経と通じ、「薄幸の妃」とは異なり、汚辱にまみれた世俗女だと異本からの衝撃的な紹介。また「浮舟」は幸せな晩年を送ったと主張し、救ったとされる僧・源信が実在人物との説明がこれまた斬新。著者の楽しい話の数々に魅入られる。続きを読む

    投稿日:2013.08.15

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