【感想】観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

亀田俊和 / 中公新書
(45件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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ブクログレビュー

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  • nuhuaueo0

    nuhuaueo0

    「観応の擾乱」とは南北朝時代にあった足利尊氏・直義の兄弟間にあった権力争いである。本書ではこれを多彩な一次資料を引用しながら簡潔にまとめられていて、とても読みやすかった。著者はこれまでにあった「足利尊氏は朝敵」という歴史観に異を唱えており、そこにも共感ができた。続きを読む

    投稿日:2024.02.02

  • kaz.f

    kaz.f

    権力をめぐる骨肉の争いのストーリーとして、「ゴッドファーザー」や「ゲームオブスローンズ」、「吾妻鏡」なんかと似てる。違うのは勝者が敗者を排除し権力を奪うことなく、敵味方主従問わず勝つ→許して復権→裏切るの繰り返しなところ。煮えきらないところがもどかしい。
    個人的に三十年前の大河ドラマの印象が強く、陣内孝則や高嶋政伸、柄本明の顔を思い出しながら読んだ。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.08

  • おぬま

    おぬま

    室町時代の初め、いわゆる南北朝時代に起こった、足利高氏とその弟足利直義による争いが観応の擾乱。一緒に腐った鎌倉幕府を倒して、新しい世の中を作る…はずが、なんで殺し合うような兄弟・家族喧嘩になってるの!?という中世日本史の謎の一つ。そんな観応の擾乱について詳しく解説した新書だ。
    個人的に、「太平記」を見た後だったので、割りとすんなり入り込めたが、応仁の乱と並び、非常に複雑な話だと思うし、中公新書は専門性が高く、易しくはない。

    もっと勉強して理解を深めたいと思いました。
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    投稿日:2023.11.12

  • ちよ

    ちよ

    教科書の説明からすれば、一行程度の出来事。
    しかし、そのなかではめまぐるしく勢力が変わる二年間の大混乱。
    やる気スイッチが入るのが遅い尊氏。
    燃え尽き症候群と微妙なやる気、保守的な弟・直義。
    逆にやる気に満ちた一部の周囲。優勢劣勢で流動化の限りを尽くす各将。
    所領や官位を目当てにがんばったのに、それを保証してくれるハズの男は微妙なやる気と現状維持の塊。
    そんな不穏な休戦期間に立ち上がるあっちの人やこっちの勢力。
    常時殺意と殺気に満ちた南朝。
    九州で暴れまわる嫌われっ子(理由不明)・直冬。
    突然やる気スイッチの入る尊氏。
    叔父とも父親とも仲良くできない義詮。
    あまりに当たり前のことだが、歴史は人間によって作られる。
    そして、現代社会の「退職理由」第一位は「人間関係」である。
    今も昔も人間はあんまり変わらない。
    室町時代だろうと、バサラ大名だろうと将軍だろうとそのあたりの面倒臭い人間関係、利害対立は存在していたし、そしてそれが命取りにもなる。
    政治的な側面も当然あるが、この面倒過ぎる人々の動きというのもなかなかに面白い。…当人たちは大変だろうが。

    あとひとつ面白かったのは、敵方に居た人でもわりと簡単に帰参できていることだろうか。
    これが戦国時代なら首を跳ねられて終わり、お家も消し飛びそうだが…やり直しがきくというのは逆に新鮮。
    地元にゆかりのある武将も、その許された一人だった。
    道理で戦国時代の頭まで続いているわけだ、と思いながらも、地元での紹介では「足利氏に忠誠を尽くし、重んじられた」云々と書かれている。
    まあ、直義も足利氏だけどさ…。「忠臣」「幕府の有力者」という印象を与える地元史跡の看板を思い出す。
    「尊氏派には反抗したことあるのにね、さらに負けたし…」
    となんともいえぬ気持ちになった。
    しかし、よく生き抜いた、おらが町の守護大名。



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    投稿日:2023.10.16

  • こべこべ

    こべこべ

    日本史は詳しくないし、漢字も覚えづらいから読むのが大変だった。同じく中公新書の「応仁の乱」は泥沼すぎて途中から訳がわからなくなったが、こちらはなんとか流れを追うことができた。戦争の歴史は読んでいて面白いから、それなりに楽しめることができたと、思う。続きを読む

    投稿日:2022.09.24

  • kfznhmst

    kfznhmst

    室町初期に起きた観応の擾乱の解説する書籍。観応の擾乱は足利尊氏、直義、直冬、高師直らの対立によるものだが、対立軸が明確でなく、配下の武将もくっついたり離れたりでなかなか複雑でわかりにくい。観応の擾乱が何だったのか一言でいうことはできないが、訴訟、恩賞の制度を革新しつつ将軍に権限が集約する過程とのことで、なるほどと思った。続きを読む

    投稿日:2021.10.25

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