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あさのあつこ / 中公文庫 (12件のレビュー)
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総合評価:
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minakovsky
2023.02.12 ★3.4 ↓↓↓内容↓↓↓ 江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。彼女の元には、奉公先…の若旦那と恋仲になった女中、あやかしの子を孕んだと訴える武家の奥方など、複雑な事情を持つ者たちがやってくる――。続きを読む
投稿日:2023.02.12
tomojuju
江戸時代の闇医者の婦人科医が主人公。あまり気持ちの良い話ではないものが続いてちょっと鬱々する。 救いが少ない。。。 2022.10.12 157
投稿日:2022.10.12
sugarpf
文章の独特なリズムがくせになる! だって例えばこう。 『風が吹けば竹林は、海鳴りを模してざわめく。 故郷の音だ。 いつの間にか忘れていた。 垣の間に形ばかり設けられた枝折戸を押す。 一歩、二歩、踏み…出す。お春の足はそこで止まった。』 6個の文章で表せるこの部分、くっつけたら3個にできるんです。例えばこう。 「風が吹けば竹林は、海鳴りを模してざわめく。 いつの間にか忘れていた故郷の音だ。 垣の間に形ばかり設けられた枝折戸を押し、一歩、二歩と踏み出すが、お春の足はそこで止まった。」 …なんだろうこの、因数分解する前の数式を見ているようなムズムズ感は。 リズム感もまったくないじゃないか。 本文は短く切られた文章と普通の長さの文章とで独特なリズムをつくって、読み手をまったく疲れさせることがない。さらに分解されたことによって、こちらが読みながら頭に思い浮かべる要素が絞られる。 するとまるで映画をみているように鮮明な場面を想像できるのだ。 『故郷の音だ。 いつの間にか忘れていた。』 風に吹かれる竹林の映像が、誰かの遠い記憶と重なる。誰かは竹林の音を聞いて、とっさに故郷の音だと真っ先に思う。ついで、その音をいつの間にか忘れていた自分に気がつく。 『垣の間に形ばかり設けられた枝折戸を押す。』 戸を押す手が映る。女だと分かるがそれだけだ。 まずは手の描写。 『一歩、二歩、踏み出す。』 そして足元。 『お春の足はそこで止まった。』 ここで初めて名前が出てくる。戸惑ったような横顔がうつるのだろう。 こんな感じにスムーズに場面を想像できる。 とにかく読んでて疲れない、気持ちいい。 そんな心地よい文章でつづられる物語。 内容もめっちゃいいです。続きを読む
投稿日:2021.12.06
mutotsu55
望まない妊娠もあれば、生みたいのに生み育てることができない環境にある人もいる。いわゆる人工妊娠中絶の問題は現代社会の一つのテーマのようにも思う。 本作は、そのような状況に陥った女性たちのために子堕…ろしを行う闇医者おゑんとそこにやってくる女性の物語を3話収録した中編集である。時代背景は江戸時代だが、このテーマは現代にも十分に通じるものである。 神がかり的な技術はないものの、中絶に際し心理的に訴えるおゑんの姿が印象に残る。続きを読む
投稿日:2020.07.04
haruxkaorin
おゑんさんの生い立ち部分が怖かった。母として、読んでいて心が痛むところがあったものの、おゑんさんの魅力で最後まで楽しめました。
投稿日:2018.01.24
dango
久しぶりのあさのあつこさん。 闇医者の世界を垣間見ることができて、ちょっと知ったかぶりをしたい気分です。 後半おゑんさんの独白のなかに、心に残った一節がありました。 「言葉は外に出すべきものと内に秘め…たままにしておくべきものと二通りがあるのだそうです。秘めておくべきものを外に出せば禍となり、外に出すべきものを秘めておくと腐ります。」 「言葉には命がある。命あるものは生かされなければ腐り、腐れば毒を出す。」 言葉に慎重になりすぎず、でも、言葉と大切に付き合っていきたいと思います。続きを読む
投稿日:2016.12.11
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