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福井憲彦, 杉山正明, 大塚柳太郎, 応地利明, 森本公誠, 松田素二, 朝尾直弘, 青柳正規, 陣内秀信, トビ,ロナルド / 講談社学術文庫 (2件のレビュー)
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雷竜
「興亡の世界史」という企画は、全21巻でそれぞれの巻のテーマも面白そうなので、最終巻の21巻「人類はどこへ行くのか」読んでみましたが、正直言ってがっかりでした。 それぞれの章立てのテーマは面白いの…ですが、どれも大学の卒業論文のようで、大家としての主張がない。最後のだい7章の「繁栄と衰退の歴史に学ぶ」という対談も2009年当時のものをそのまま載せているため、陳腐な内容となっているままで改訂版としている。 副題が「今を知り明日を見通す」というのに、こんな内容で編集者は何も考えずにただ体裁だけを新しくしたのだろう。最近のシリーズものは、とにかく編集者の力が入っていない。これは雑誌でも同じで、残念ですね続きを読む
投稿日:2021.07.23
フロッガー
世界史についての本。 興亡の世界史というシリーズの中の最終巻。2007年に出されていたが、文庫化されるにあたって新しく手直しされたもの。 従来の世界史というのは西洋史を中心としたものであったが、本書で…はそれに対してもっと多文化的で中立的な世界史を提唱している。 人口問題については、人口バランスとその国の繁栄について書かれており勉強になった。日本は戦後の復興期、高度成長期に人口ボーナス期を迎え、一気に経済繁栄した。これからは急速な高齢化と少子化で人口減少時代を迎える。経済的な縮小はやむを得ないだろうと思う。しかし、世界的には人口増加による環境問題に直面しており、日本の人口減少は今後に必要な世界的人口減少に先駆けたものと考えれば、やむを得ないのかもしれない。 海の歴史についてはインドを中心に西と東がインド洋で交流していたダイナミックな歴史が興味深かった。その後にヨーロッパの産業革命がおこり蒸気機関による船舶が開発され、西洋による世界の植民地化の歴史については、力による支配に辛い気持ちになる部分があった。 アフリカの悲惨な歴史については、最も衝撃的であった。アフリカには部族がいてそれが抗争して未開である、という今日のアフリカ像が西洋的な視点から作られたものであると書かれていた。アフリカの部族という存在は古くからの伝統かと思っていたが、西洋の植民地化で地域ごとに部族を縛り付けて孤立させ固定化した結果であると知った。 さらに、奴隷貿易がアフリカの発展に壊滅的な打撃を与えた。奴隷制度が西洋の発展と自由で民主的な生活スタイルを作ったが、その悪影響をもろにかぶった地域なのだと再認識した。 全体にアンチ西洋の雰囲気を感じたが、日本独自の世界史への関わりを提唱していて面白かった。地域ごとにダイナミックな歴史と異文化交流があったことを知ることができ、他のシリーズも読んでみたいと思った。 続きを読む
投稿日:2020.05.25
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