【感想】宣教師ザビエルと被差別民

沖浦和光 / 筑摩選書
(4件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • takecchi

    takecchi

    差別問題をアジア思想史レベルでとらえ続けた沖浦先生最後の著作。

    私も沖浦先生と同じく、この著書と出会ったことで「私がそれまで抱いていた薄っぺらな『キリシタン布教史』のイメージは音を立てて瓦解していった」

    日本において、なぜキリスト教が広まったのか、なぜザビエルは漁村へと赴いたのか、なぜ癩病者への布教が功を奏したのか、なぜ被差別部落においてキリスト教が広がったのか、なぜ長崎県には被差別部落の人口が少ないのか…
    そのことひとつひとつが克明に紐解かれていく過程にどんどん惹き込まれ、あっという間に読了したといった感じだった。

    癩病者への救済が、仏教とキリスト教とでは根本的に違うということが、私にとって最もインパクトのあるトピックスであったことも、付け加えておきたい。
    簡単に言うならば、上から救済するか、同じ目線で救済するかの違い。
    これは、ほんと目から鱗の歴史的事実であり、このことはしっかりと伝えていかなければならないと強く思った次第である。
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    投稿日:2021.03.23

  • nari-aki

    nari-aki

    たぶん日本人なら誰でも知っているフラシスコ・ザビエル。
    でも、彼がいったいどのように日本において布教をすすめていったのかは、未知だった。
    とくに、どのような人々に信仰を得ていたのかは、もちろん知らなかった。

    その答え?の一助となったのが本書。

    日本における布教史の概説。

    イエズス会の成立、宗教改革、大航海時代、戦国時代のおける日本仏教の変遷。などなども詳しく説明されていた。


    イエズス会の成立の歴史から、アジアにおけるイエズス会の布教、そのなかでの被差別民との関わり、そして日本におけるイエズス会の布教と被差別民の歴史や関わりを知ることでき、とても有意義な一冊だった。
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    投稿日:2020.09.25

  • 橙子

    橙子

    本題とは直接関係ない部分だけど、仏教で女性は成仏できない、とされていたのはひどいな。
    後の修正の、女性は一旦男性に生まれ変わってから成仏する、というのは、馬鹿馬鹿しさがさらに際立っている…

    投稿日:2017.05.16

  • c-traveling

    c-traveling

    仏の慈悲が及ばぬとされた身分があったこと、女性もケガレとみなされていたこと、キリシタンに対し残虐な仕打ちをしていたこと、同じ日本に住む人間の間で。

    投稿日:2017.03.03

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