【感想】作家と楽しむ古典 好色一代男 曾根崎心中 菅原伝授手習鑑 仮名手本忠臣蔵 春色梅児誉美

島田雅彦, いとうせいこう, 三浦しをん, 松井今朝子, 島本理生 / 河出書房新社
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yoshidamasakazu

    yoshidamasakazu

    「 作家と楽しむ古典 」日本文学全集の現代語訳を行った 有名作家の あとがき的 エッセイ。

    やはり 作家だけあって、文章を 現代語に訳すというより、著者の意図を 現代的に書き直しているみたい。日本文学全集 即買い。


    島田雅彦 「 好色一代男 」 エロかつ経済小説
    *女たらしの遍歴の物語
    *遊郭=エロと経済が交差する場所→どうやって通人になるか
    *金のないなかで遊ぶところにクリエイティブィテイがある→金に糸目をつけずに遊べるとなると 面白くなくなる
    *「好色一代男は父殺しの物語」「江戸時代は エロ時代」は名言

    いとうせいこう 「 曽根崎心中 」カウンターカルチャー
    *浄瑠璃は 人形から離れたところで 太夫がセリフを言う→人形、太夫、三味線は 互いに相手を感じながら 自分の間で動く
    *人形(死んでいるもの)に命が吹き込まれる異様さ
    *心中=アンモラル→このアンモラルが近松の倫理
    *韻と拍子
    *狭い共同体の中で 名誉を奪われた男が 女にけしかけられ、社会への復讐として 自死する物語

    三浦しおん 「 菅原伝授手習鑑 」全員 善人か悪人
    *菅原道真が天神様になるまでを庶民視点で描いた〜主人公は三つ子
    *「寺子屋の段」「道明寺の段」「佐太村の段」が山場

    松井今朝子 「 仮名手本忠臣蔵 」
    *「実は〜」という展開がない。ワンテーマで読みやすい
    *主題は復讐だが、忠義というより 三組の恋愛が中心

    島本理生 「 青色梅児誉美 」平凡で普遍的な人間の感情
    *三人称による語り(作者が人物を見守るような)
    *人情物とは 恋愛に限らず、人々の心境を偏りなく 情け
    をもった目線で書く→平凡で普遍的な人間の感情に向けている

    粋とは
    *究極のストイックな美意識
    *運命によって 諦めを得て〜意気地の自由に生きること→諦めつつも 果敢に生きる、常に色気は保ちつつ。
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    投稿日:2019.04.25

  • 宮村陸

    宮村陸

    このレビューはネタバレを含みます

    初読。図書館。いとうせいこうさんも、三浦しをんさんも、松井今朝子さんも歌舞伎や文楽をとことん見まくっているうえで、作家として現代語訳する面白さを語ってくれている。みんな楽しんで訳してたんだなあ。でも訳者と古典の組み合わせが絶妙で、それだけで読んでみたいなあと思わせてくれた。

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    投稿日:2018.10.01

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