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藤島康介 / アフタヌーン (1件のレビュー)
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『黒犬』の優樹
きっと、私だけじゃないと思う、この(21)の表紙を飾っているベルダンディーの美しさにゾクッと来たのは 以前に、彼女の美しさは「静」と表現したが、更なる先に到った印象を受ける 単なる「静」ではなく、「静…寂」もしくは「静謐」と表現したい、元から整っていた形が、ギュッと縮まって、不純物が絞り出され、更なる高みに到達している これは、描き手が一皮剥けたくらいじゃ、出ない美しさだ。藤島先生が底知れない漫画家なのは周知の事実だけど、同業者としちゃ、こんな怪物みたいな漫画家に、どう勝てばいいんだよ、と諦観の念に襲われそうだ では、表紙から、いきなり好戦的な(21)で、私がグッと来た三話を紹介 Chapter.255「切り裂かれた闇」 いきなり、自分の下卑た嗜好を晒すようで恥ずかしいが、それまで優勢で、自分の勝ちが揺るがない、と確信していた女性キャラが、たった一手で逆転され、プライドと衣服がズタボロになっている様ってのは、滾るなぁ 相手は見えず、しかし、自分には視えている、この闇の中では、自分が追い詰められる事などありはしない、そんなアールヴァルだったけど、螢一の煽りに乗っかり、全てをぶっちぎる最高速度で翔けるグリューエンデスヘルツの前では手も足も出ず。彼女の敗北の認め方は、実に潔く、勉強になった しかし、藤島先生に文句はないが、これから、絶対的な闇が支配する空間の中で繰り広げられる戦いには、一層の工夫が必要になりそうだ・・・燃えるなぁ Chapter.260「破壊と打開」 法術のスペシャリストであるベルダンディーが、形あるものだろうが、形なきものだろうが、容赦なく破壊できるスリュムと、真っ向から繰り広げる攻防。藤島先生は、肉弾戦も、ここまでハイレベルに描けるのか、と震えた ベルダンディーの意外な才能で、ピンチは脱したけれど、このままでは時間が尽きてしまう。どうにかしなければならない中で、螢一は、自分らが一つの考えに囚われている事に気付く。そして、思いつく、スリュムに勝つ方法ではなく、この部屋から出て先に進む手段を 敵の力を利用する策を思いつく柔軟さもそうだが、何よりも、惚れた女が見ているってだけで、防御不可避で、直撃すれば必死なパンチをギリギリまで引きつけられる勇気が出せる漢気、それこそが、螢一の、ベルダンディーが信じる強さ Chapter.265「最愛最強メカ突進!!」 藤島先生の中にいる、男の子が大全開な話だな、と感じた。バイクのレースや、恋愛モノのシーンでも、藤島先生が活き活きと描いている姿が思い浮かべられるが、きっと、ロボを描いている時も、同じ感じなんだろうな スクルドの、まだ自覚できていない才能が明かされるって展開もイイ。未来を司るゆえに、その力は未知数であり、誰よりも大きく花開く可能性を持っている そんなスクルドの「先」を異なる形で信じ、折れかけた妹の心に発破をかける姉二人の愛にも、結構、グッと来た。ベルダンディーとウルド、この二人に自分の才能を信じられちゃ、絶望ごときに屈している場合じゃない この台詞を引用に選んだのは、ベルダンディーの螢一に対する愛の深さを、ひしひしと感じたので いつでも、だれにでも、人当たりの良いベルダンディーで、滅多に感情を乱したりしないけど、大好きな人が侮辱されれば、話は別 滅多に見られないぞ、ここまで、怒っているベルダンディーは ほんと、螢一は最強の女神に惚れ、惚れられているんだな続きを読む
投稿日:2018.10.16
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