【感想】シェイプ・オブ・ウォーター

ギレルモ・デル・トロ, ダニエル・クラウス / 竹書房文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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1
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ブクログレビュー

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  • ひつじ

    ひつじ

    大好きな映画だったので、観賞後に読みました。
    悪役の葛藤など、映画では描かれなかった細かいところが書かれていて、すごく良かった。

    投稿日:2023.12.20

  • 鍋レモン

    鍋レモン

    このレビューはネタバレを含みます

    研究施設の清掃員イライザとアマゾンの奥地で神のように崇められていた彼との物語。

    映画公開時から気になっていたが観れておらず、観るよりも先に読めたのが嬉しい。
    かなり分厚いがあまりの面白さに2日で読めた。

    訳者のあとがきにあるギレルモ・デル・トロが「子供のまま大人になった最高のお手本のように思えてくる。」という文がすごくしっくり来た。
    『大アマゾンの半魚人』を観て恋が成就しなかったことに心を痛め、自らモンスターとヒロインの恋が実る物語を描くという。

    人間以外と恋という恋愛作品は幾つもあるけど今作は雰囲気が違う。多くの作品が人間では無い方を人間に寄せてしまうような作りだけど今作は彼をとても大切にしているように感じた。

    『美女と野獣』であれば野獣は何故か王子様に戻ってしまうし、『人魚姫』は泡になってしまう。これらの作品を観たり読んだ時のモヤモヤ感を今作は払拭してくれている。

    イライザは生まれつき口が聞けないのだが、人魚姫から着想を得たのか気になった。考察ではあるが彼女の首の傷は元々エラで、その名残のような気がするし、声を奪われる代わりに人間の姿で現れたのではないかなと思ってしまう。

    今作は登場人物は口の聞けないイライザ、黒人の女性ゼルダ、同性愛者のジャイルズなどマイノリティーの登場人物が多い。イライザの職場も他の職業には不向きゆえ、この仕事を失うまいと真面目に仕事をするという理由でマイノリティーの人々を雇っている。

    物語が進むにつれ人間と彼の境目がどんどん薄くなって行ったように感じた。ストリックランドのほうがイカれたモンスターである。

    彼の描写がとても美しく、水の滴りや鱗の煌めきを感じられた。

    ・登場人物
    イライザ:主人公。

    ゼルダ:黒人の女性。イライザの同僚。ブリュースターという夫がいる。
    他の同僚:(ヨランダ:メキシコ人、アントニオ:寄り目気味のドミニカ人、デュアン:混血で歯がない、ルシール:アルビノ)

    デイヴィッド・フレミング:イライザの会社の偉い人。

    ボブ・ホフステトラー博士(ディミトリ):科学者。実はスパイ。
    上司:(バイソン、レオ・ミハルコフ)

    ジャイルズ(64):イライザの部屋の隣。
    ブラッド(35より上はない):名札がよく変わるカフェ店員。
    バーナード・クレイ(バーニー):ジャイルズが働く広告代理店の人。

    リチャード・ストリックランド:ギル神を捕まえた。ホイト元帥の部下。レイニーという妻とティミーとタリーという2人の子供がいる
    レイニー・ストリックランド:リチャードの妻。バーニーの会社の受付嬢に誘われる。

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    投稿日:2023.10.18

  • muimi

    muimi

    このレビューはネタバレを含みます

    ギレルモ・デル・トロ監督の映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の原作ではなく、補完するために小説家と監督が一緒に作った小説(だよね?)。

    めちゃくちゃにぶあつい!!!!!! でも映画を観てハマるものがあった人は絶対に読むべき。

    様々な人物の行動・心理描写が圧倒的に描かれている。 特にサブキャラ。
    映画はそんな心理描写じゃなかったよね?というところも、深みが出て良い。
    世界観にどっぷりと浸れるようになる〜

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    投稿日:2020.06.06

  • mitsukof

    mitsukof

    映画を見た後に読みました。とても読み応えのある一冊です。ストリックランドがどれだけ苦労してアマゾンから半魚人を連れてきたかが前半に書かれていましたが、映画では全くその事には触れていませんでしたよね。他にもイライザの生い立ちや首の傷のこと、イライザの隣人ジャイルズの過去、友人ゼルダのイライザを慕う気持ち、ストリックランドの妻レイニーとジャイルズの交流、研究所で働くホフステトラー博士の葛藤、などなど映画には到底収まりきれない細かいストーリーを補うような豊富な内容で、だからこの厚みか!と思いました。どうしてイライザの首に傷がなくちゃいけなかったのかとか、シャワーじゃなくお風呂に浸かる派とか、改めて納得する部分が色々ありました。そしてギレルモ・デル・トロ監督はイライザと半魚人のロマンスだけではなく、女性蔑視や人種差別、マイノリティ差別などの問題も提起したかったんだなと思いました。この本はノベライズという事で映画と合わせて読むことをオススメします。ただ一つ、血や肉の描写がグロすぎて読んでいて顔がゆがんでしまうとこが何度もありました...続きを読む

    投稿日:2019.07.04

  • maruochang

    maruochang

    海外文学は得意ではないけど、本当に得意ではないなぁ〜と改めて痛感した。
    長過ぎる!
    でも、表紙のジェームス・ジーンさんの絵は本当に素晴らしい。タイトルが配置されて、いっそう美しさが際立つ。もともとジェームスさんは海外のコミック雑誌の表紙を数年手掛けていたキャリアがあり、表紙に映える絵を描くのが得意中の得意なお方。昨今はイラストレーターというより画家に近くなってしまったのを少し寂しく思う。続きを読む

    投稿日:2018.08.09

  • あねむ♪

    あねむ♪

    このレビューはネタバレを含みます

    2018/05読了。

    映画に感動し、ノベライズもということで。
    大変分厚く、どうしようかと思ったけど、内容的には読みやすく(すでに映画を見てストーリーが分かっているから、ということはあるけど)、読むと映画のシーンがよみがえり、また映画より掘り下げた部分も多く、読んで良かった。

    ストリックランドと妻レイニーは映画よりも格段に描写が深かった。ストリックランドの半魚人に対する憎悪のわけが理解できた気がする。レイニーも映画ではただの奥さんだったけど、ノベライズでは自立しようとする強い女性だった。

    ゼルダもジャイルズも。映画よりもスポットが当たってる。

    でも半魚人とイライザは、断然映画の方が良かった気がする。イライザの靴やラストシーンの赤い衣装とエラ、半魚人の造形、映画の視覚表現がそれだけ素晴らしかったんだなあ。

    もちろんノベライズのラストも味わい深く、神々しい世界観に感動した。

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    投稿日:2018.05.13

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