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エルンスト・カッシーラー, 宮田光雄 / 講談社学術文庫 (3件のレビュー)
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ゆうたろう
とても楽しめた。 ヘーゲル、マキャヴェリ、カーライルあたりが特に面白い。 画一的な通説に惑わされることなく、入念なリサーチで獲得した知識をフルに使い、対象の人物の言説をを鋭く分析する。 客観性を多分に…含んだ論文で素晴らしかった。 ナチズムの台頭を横目に見てきたカッシーラーならではのリアル味が文章の細部に宿っている。 さりげない言葉遣いの変化や公私が曖昧になる異常性など、ナチス政権下の実情も記されていて資料的な価値もあると思います。続きを読む
投稿日:2023.06.20
ichien
古代や中世の話などは期待していた内容と違う気がしたけれど、必要があって論じているのだと後半わかって納得した。特に興味が広がったのはヘーゲルの話。
投稿日:2019.07.31
nt
質量ともにヘビーで読み応え十分だった。 『シンボル形式の哲学』のカッシーラーが、主に西洋の各段階における「神話」思考や「国家」概念を読み解いていく。もちろん網羅的ではないが通史的な思想史のようにもな…っている。 特にマキャヴェリについては、何章にもわたって詳細に検討されており、ここだけでもマキャヴェリ論として成り立つような精細な論述だ。自分もマキャヴェリ『君主論』をどう受容するべきかためらっていたので、これは参考になった。 英雄崇拝のカーライル、人種主義のゴビノー、至高性としての国家論のヘーゲルを経て、いよいよ全体主義国家が出現する。 1941年に書き始められた本書は、カッシーラー没後翌年の1946年に出版された。つまりナチスの時代を見つめつつ書かれたことは明らかであり、それならどうして「ナチスの現在」について「あとがき」だけででも言及しなかったのか、不思議な感じもする。 もっとも、「神話」の思考が、ふたたび「国家」のもとでゾンビのように復活しようとしているという、その危機感・絶望の気分で本書が綴じられているのは印象的だった。 そしてそのゾンビは、20世紀末頃から21世紀の現在に至っても、またもや復活しているのであり、該博な本書による分析を今、再読して考え直すことに、大きな意味があると思う。続きを読む
投稿日:2018.08.08
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