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西川誠 / 講談社学術文庫 (2件のレビュー)
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koochann
大日本帝国憲法の「神聖にして侵すべからず」(第3条)の文言通りの絶対君主として日本を強国にした偉大な天皇のイメージがある明治天皇が、少年で天皇になり、西郷、木戸、伊藤博文などに頼り、ある意味では自らの…考えに反したことまでも受け入れざるを得なかった立憲君主国の元首であったことが強い印象である。そのことは実は第4条の「天皇は…此の憲法の條規に依リ之を行う」との条文を伊藤が設けていた!西郷討伐への精神的な拒絶から「政務拒否」ともとれる屈折した態度を示したことがあったとは親しみさえ感じる。森有礼がクリスチャンであるが故に文相就任に反対したが、伊藤が押し切ったことも。そして明治10年代には外出嫌いになり、外国人の拝謁を避けたがった!など驚きの数々である。また日清・日露の2つの戦争には「負けることにより先祖に申し訳けがたたなくなることへの恐れ」が大きく、上杉鷹山「伝国の辞」の「藩主は藩と領民のものである」との考え方を祖父・中山忠能の教育が効果を齎していたというのも示唆に富んでいた。続きを読む
投稿日:2022.12.02
Στέφανος
序章 欧化と復古を生きた「大帝」 第1章 小御所会議の「幼冲の天子」 第2章 京都の天皇から東京の天皇へ 第3章 明治憲法と天皇 第4章 立憲君主としての決断 第5章 万国対峙の達成 終章 君主の成長…と近代国家 著者:西川誠(1962-、京都府、日本史)続きを読む
投稿日:2019.03.09
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